フー・キャン・トラン容疑者(72歳)
先週、中国系住民の多いモントレーパークで銃乱射事件が起きました。11人もの方が亡くなったこの事件の現場は、LAのダンス愛好家なら行ったことがある、もしくは聞いたことがあるダンススタジオだったため、誰が犯人なのか、被害者に知人はいないかなど、仲間の間で瞬時に情報が駆け巡りました。
かくいう夫もモントレーパークの元住人で、このダンススタジオに時折行っていました。そういえば私の行きつけのサルサバー、ボーダーラインでも銃乱射がありましたね……。ため息をついていたら、ご近所アプリNextdoorに「近所を拳銃を持ったティーンらが徘徊しています、注意を!」という書き込みが。やれやれ…もううんざりだ。
フー・キャン・トラン容疑者(72)は既に自殺してしまいましたが、知人などの取材から、彼の日常が明らかになってきています。
「彼は質素な生活をしていて、仕事もなく、毎晩8時になるとドレスアップしてあの店へ向かいました。他に行く所がなかったのです。あの店だけが彼の生き甲斐でした」(かつて容疑者所有の家を借りていた住人談)。容疑者はその家の裏の小屋に一人で住んでいました。
ダンス仲間のサチさんが言いました。「唯一の竜宮城だったのよ」。本当に、この踊り場が唯一の場所、竜宮城だったんだろうと思います。私にとっても、踊り場がそんな場所だった時がありました。地球はこんなに広いのに、ここだけがたったひとつ、自分がいられる場所。寂しくても孤独でも、そこに行けばひと時、何もかも忘れて過ごせる…。
インストラクターだったということですから、犯行時のしょぼくれた姿(上写真)とは違い、踊り場ではきっと人気だったことでしょう。しかし最近では、他のインストラクターが自分のことを悪く言っていると、さかんに文句を言っていたとあるので、そんな「唯一の場所」が奪われた恨みだったのでしょうか。他に"いろいろな場所(物理的にも心理的にも)”を持っている人なら、ここまでの惨劇は起こさなかったのかもしれません。
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