『罪と罰』に出て来た料理を見つけた
6月
25日
ロシアの侵攻が始まった頃から、あえてロシア文学を読み直しています――ツルゲーネフの『初恋』や、ドストエフスキーの『罪と罰』など。もう何十年も前に何度も読んだ本なのですが、読書体験における過去と今の大きな違いは、‟出て来る固有名詞を検索できること”でして、今回はこの素晴らしいテクノロジーを大いに活用しています。
『罪と罰』に何度も出て来る「センナヤ公園」は、私の頭の中ではみすぼらしい公園だったのですが、検索してみると、なんとも壮麗、壮大…。公園と言うより宮殿? 度肝を抜かされる美しさで、あわてて数十年にわたり脳内で設定していた舞台背景をこちらに入れ替えました。
途中で出て来る「ザクースカ」という料理が、これまた、おいしそう。某ロシア料理レストランさんの説明によると、スモークサーモンや塩漬けニシンなどの前菜のことだそうです。
それで昨日、東欧スーパーに行って棚を見て回ったら、幸運にもこの「ザクースカ」らしきものを見つけました(写真)。塩漬け?オイル漬け?のサーモンとニシンの詰め合わせで、店員さんいわく、生でそのまま食べられるそうです。家に着くなり早速食べてみましたが、日本人好みの素晴らしいおいしさでした。
ついでに、そのスーパーのデリにあった、藁草履のような大きな揚げ物(まさに靴のような大きさ)が気になり、店員さんに何かと聞くと、「ピロシキ」だと言います。おお…日本で食べた、カリっと揚がったカレーパンサイズの小さいながら繊細に作られたあのピロシキ――とは判別不可能なほど異なる物体。
その大きさや中の具(ジャガイモとわずかな肉)、油のまわった感――言ってみると”エネルギー重視”の感に、これはカロリーが必要な庶民のソウルフードなのだと想像。とはいえこちらもハーブが効いていておいしかったです。なお、ピロシキはウクライナとロシア、両方で食べられている料理だそうです(全体的に同じなのかも)。