見れば分かるよ、カップだよ――という声が聞こえてきそうですが、実はこのカップは骨で作られているのです。
ニューヨーク市の地産地消レストランBlue Hillは「whole-animal」――動物の全てをいただくという哲学をさらに深め、肉を調理した際に出る骨を使って食器を作っています。
昔、アメリカの人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティー』で、主人公のキャリーとボーイフレンドがKFCのチキンを互いに投げ付けて遊ぶシーンがあり、なんだか悲しかったのを思い出しました。「こんなことのために、大切な命を投げ出した鶏…」。
とはいえ、このお店の紹介記事に関わった時、正直、「骨まで!」と驚きました。
私自身が骨を使ったカップでコーヒーを飲みたいかというと、飲みたくはないかもしれません。では捨てるのがいいのか…捨てると骨はゴミになります…ゴミになるなら使うべきではないか…骨のカップが嫌なくせに肉を食べる私…など、いろいろな考えが頭の中でぐるぐると回りました。
もしかしたら、このカップの存在意義は、人々にそういう問いを投げかけることなのかもしれません。
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