誰でも悲しみを持っている
12月
1日
青汁でお馴染み、キューサイさんの創業者、長谷川常雄氏が以前、こんなことを話してくださいました。「どんな重罪を犯した犯罪者でも、目の奥をじっと見ると、そこに優しさが見えてくるよ」。
私はこの言葉が大好きです。
誰の心の奥にも醜い思いがあるように、誰の心の奥にも優しさや悲しさ、寂しさがあります。
相手のどの部分に焦点を当てるか、それが大切なことだと思います。
だから私は相手の一番優しい部分に焦点を当てたいと思うのです。
今日、ちょっぴり物思いにふけってしまうのは
12月1日と12月2日のせいでしょう。
12月1日は亡くなった父の誕生日です。
亡くなる前、1カ月以上も行方不明だった父。
恐ろしくて不安でたまらなくて、何度も何度も留守電にメッセージを残したのを思い出します。しかし父はそのまま戻らず、遺体で見つかりました。そして私と姉以外の人には全く意味を持たないこの12月1日という日を祝うとき、心の奥がキュンと痛みます。
12月2日は、私と一緒に日本からアメリカに渡ってきた愛犬の命日です。
離婚の寂しさも、孤独な外国暮らしも、恐ろしい一人きりの夜の暗闇も、あの子がいたから乗り越えられたのに。もう5年間もあの子なしで生きているんだなあと、毎年、数を数えます。
そして、元気に見えるあの人も、いつも前向きな発言のあの方も、みんな誰でも悲しみを持っているんだねと、思います。だから、誰に対しても優しさを持って接しなければなりません。
毎年、こう思えるのは、私も悲しみを持つ人間だからで、それは亡くなった父と愛犬からの贈り物なのでしょう。