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投稿日 2022-05-05 10:49
猫の揺りかご Blog
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hotaru
ゴミのように積まれたファイルの山に埋もれながら、 カレーライスを頬張る。 目の前にあるのは新品のパソコンとキーボード。 味気の無いレトルトカレーを咀嚼しながら キーボードを触れば、 メカニカル特有の心地よい打鍵音が虚しく響く。 「こんなことのために買ったんじゃないだけどな……」 趣味の小説を思いっき...
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投稿日 2022-05-04 20:35
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「サラマンダーって伝説上の生き物なんでしょ」 君がマウスをカチカチ言わせながら呟く。 「うん。でも、本当にいるとしたらおもしろくない?」 そう?と首を傾げる君に僕は笑う。 「例えばこのかすみ草だって、熱帯地方の 人々からしてみれば、伝説上の植物かもしれない。 そうやって考えてみれば、この地球上のどこ...
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投稿日 2022-05-04 19:40
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hotaru
「ねえ、私が死んだら、泣いてくれる?」 君はかすみ草のように儚げに笑う。 ねえ、なんでそんなことを言うの? なんでそんな遠い目で笑うの? 僕はここにいるのに。 君の瞳は闇に閉ざされたままで、僕を映してはいない。 「そうなる前に、必ず見つけ出すから……」 サラマンダーのように地中を這って、 ネズミのよ...
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投稿日 2022-05-04 18:59
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hotaru
私が送ったメーデーに、 あなたは気づいてくれるだろうか。 わずかばかりの期待はまるで、 今にも割れそうな薄氷(うすらひ)のようで。 すがりつくこともできずに、 私は絶望の淵に沈んでいく。 AIを駆使した科学技術が発展する 世の中だというのに、 人間(ひと)が他人(ヒト)の心を 理解するのは難しくて、...
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投稿日 2022-04-09 11:14
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hotaru
Twitterで「いかにその物語を凝縮した言葉を持ってくるかが、 言葉選びの難関であり、楽しみであり」と書かれている方がいて、 激しく共感した。 タイトルってある意味「象徴」だと思ってるから、 「〇〇が××して〜しました」ってのはちょっと興醒めしてしまう。 タイトルで内容わかっちゃうから、 むしろ読...
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投稿日 2022-04-07 13:52
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hotaru
タカマ二次小説「夢で逢えたら」の改訂版で、初版にはない嗅覚の表現を加えたのは、この作品の影響です。【MAD】るろうに剣心 追憶編『花冠』剣心の記憶に残る白梅香のように、颯太の記憶にたゆたう香りを描きたかった。...
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投稿日 2022-03-19 10:17
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hotaru
ガンダム見たことないけど、 曲聴いてるだけで、 すごく仲の良いふたりが次第にすれ違って 敵対するストーリー性を感じるし、 そういう小説を書きたくなる。...
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投稿日 2022-02-20 22:30
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hotaru
雪道に所狭しと露店が並び、 そのあちこちで、色とりどりのネオンのようにきらびやかな飴が売られている。 真っ赤なコートに身を包み、買ったばかりの飴を頬張りながら、千鶴は笑う。 「これでもう、今年は風邪を引かないね」 この地域に昔から伝わる言い伝え。 旧正月の今日、祭りで買った飴を舐めると、その年一年、...
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投稿日 2022-02-20 12:23
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希望を失い、反旗を翻した堕天使は、 幸せの象徴である カエルのペンダントだけは手放せず、 まるで鎖のように自分の腕に巻きつける。 (ここは、とても暗くて寒いから……) 温もりも光も届かない。 だけど希望だけは失いたくないのだと、 祈りにも似た矛盾を胸に空を仰ぐ。 (このままでは終わらせない……) こ...
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投稿日 2022-02-19 22:01
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hotaru
金木犀の匂いが漂う庭で、 炭酸水を口に含む。 不安定な秋の空は、 心の中を映しているかのようで。 オレンジ色の花が風に揺れる度に 千紘の心はざわめく。 「いつまで続くのかな」 この不条理で混沌とした日常は。 (早く、帰りたい……) そんな想いを、 しゅわしゅわとした泡とともに一気に飲み干す。 空...