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介護保険制度の改悪に強く抗議します!

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介護保険法改正の成立を報道する... 介護保険法改正の成立を報道する東京新聞
5月26日、一部利用者の3割負担の実施など介護保険制度をさらに悪くする介護保険法改正が参議院で可決、成立しました。
介護事業所を経営する者の1人として強く抗議します!

 株式会社 希望のつばさ福祉会 代表取締役  鴨下 元


(賛成した政党)
自民党、公明党、日本維新の会

(反対した政党)
民進党、共産党、社民党・自由党系会派など

【介護保険法の改正の問題点】
なにが問題なのか、参議院本会議で反対討論に立った野党議員の発言に、今回の法改正の問題点のポイントが示されています。

◎民進党・大西議員

 第一に、 安倍政権は、 平成27年度の 介護報酬改定で 、2.27%と実質過去最大の引き下 げを行いました。 その結果、 平成28年1年間の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は、調 査開始以来、過去最多となり ました 。
 第二に 、安倍政権 は、要支援者向けの訪問介護と通所を地域事業に移行する「支援切り」 を断行しまた。 本年4月にようやく 全ての自治体で移行が完了しましたが、 今後、報酬単価の切り下げ やサービスの質低下が 起こり、地域格差拡っていくと懸念されています 。
その上 、安倍政権では、軽度者に対する生活援助 サービスも 地域支援事業に移行すること や軽度者向けの福祉用具貸与や住宅改修原則自己負担化までもが検討されており、言語道断です 。
 今回、私たちは、民進党の考え方を対案としてお示しするとともに、最初から反対ありきではなく、修正の可能性も探りながら丁寧な審議に努めてまいりましたが、次の点で、政府案には、最終的に、反対せざるを得ないとの結論に達しました。
 反対の第一の理由は、2割負担導入の影響の検証が不十分であることです。平成27年8月に、一定以上の所得の人の負担が2割に引き上げられました。政府は、前後において、1割負担者と2割負担者の間のサービス利用者数等の傾向に顕著な差は見られないとの答弁を繰り返していました。
しかし、審議の中で、民進党の求めに応じて、厚労省は、負担が2割に上がった人のうち、約16万7千人がサービスの利用回数を前月より減らし、1,634人は介護保険施設を退所していたことを明らかにしました。
 また、介護サービスなしには生活できない高齢者が、サービスの利用回数を減らしたり、生活費を切り詰めている実態は、「認知症の人と家族の会」のアンケート調査にも表れています。
 2割負担が、要介護者やその家族に深刻な影響を与えていないか丁寧な検証を行うことなく、3割負担を導入するのは拙速です。
 反対の第二の理由は、2割負担や3割負担の対象者が国会審議を経ることなく政令で拡大していく懸念が払拭できないことです。私たちも介護保険財政がひっ迫する中で、所得の高い層の高齢者に負担をお願いすることは否定しません。しかし、それがアリの一穴となり、所得の低い人や軽度者までもが対象となるようなことがあれば、介護サービスは利用できなくなってしまいます。
 この点、民進党は、政府・与党に対し、政府が2割負担、3割負担の対象者について、法改正を経ずに安易に拡大することができないよう歯止めをかける法案修正を求めましたが、残念ながら納得のいく回答は得られませんでした。
それどころか、答弁では「制度の持続可能性を高める観点からは、不断の見直しが必要だ」と、将来的な対象拡大を否定しませんでした。
 反対の第三の理由は、平成30年度介護報酬改定でマイナス改定が行われる懸念を払拭できないことです。仮に、2回連続で介護報酬を引き下げることになれば、介護事業所の経営は深刻度を増し、介護サービスの基盤は崩壊してしまいかねません。いくら介護職員の処遇改善をしても、介護事業所の倒産が続けば、国民は必要な介護サービスを受けることができなくなってしまい、要介護状態等の悪化や家族の介護離職を招くおそれがあります。
 介護事業所の経営実態を見ると、収支差率が悪化する一方で、収入に対する給与費の割合は高まっており、処遇改善を行う余力がないのが実態です。処遇改善を実効ならしめるためにも、介護報酬を引き上げて、介護事業所の経営を安定させることが必要です。
 この点、民進党は、政府・与党に、次回介護報酬改定でのプラス改定を担保する内容の法案修正を求めましたが、ゼロ回答でした。政府・与党にプラス改定をする気がさらさらないことの証左です。
なお、介護事業所や福祉事業所には、介護職以外にも送迎、調理、事務など他の職種の職員も働いていますが、政府案の処遇改善加算の仕組みの下では対象になりません。そのため、事業所の職員全体の処遇改善を行おうとすると、その分の費用負担は事業者の持ち出しとなるため、処遇改善の足かせとなっているという現場の声があります。民進党案では、介護・障害福祉従事者以外の職員の処遇改善もできるように特別助成金を設けていますが、この点の配慮が政府案は不十分です。

◎共産党・倉林議員
 本法案は、衆議院では二十二時間の審議で、地方公聴会も開かないまま強行採決されたものです。本委員会での審議時間はこれを下回る僅か十六時間足らずであり、徹底した審議が尽くされたとは到底言えません。本日の採決に強く抗議するものです。
 反対理由の第一は、介護サービスの利用者に重い負担増を押し付けるものだからです。
 衆議院の議論を通じて二割負担の影響調査の必要性を政府自身も認めていながら、その結果が出る前に三割負担に踏み切るなど、到底国民の理解は得られません。国庫負担金を大きく減らす一方で、要介護者や家族の苦しみに追い打ちを掛ける根拠なき三割負担は断じて容認できません。
 第二は、喫緊の課題となっている介護職員の人材不足解消策が全く不十分だからです。
 人材確保を困難にしている最大の要因は、介護現場の低い職員配置基準を見直すことなく、介護報酬の評価も効果的にされてこなかったことにあり、政府の責任は重大です。配置基準を見直し、それを保障するために、思い切った国庫負担の引上げを行うこと、介護報酬全体を引き上げる方向への転換が求められています。
 第三は、本法案が導入する財政的インセンティブが自治体による強引な介護サービスの取上げを更に拡大する危険は極めて高く、介護保険の本質をゆがめかねない重大な問題があるからです。
 参考人質疑では、自治体に公的サービスを止められた要介護者が状態悪化や重度化に至るケース、自費サービスの購入を余儀なくされている実態が明らかになりました。
 本法案による負担増と給付の切捨ては、介護が必要な人に対するサービス利用を阻害するものにほかならず、公的介護制度に対する国民の信頼を土台から突き崩すことにつながることを厳しく指摘するものです。
 第四は、地域共生社会の名の下に、高齢、障害、子供などの福祉に対する公的責任が大幅に後退しかねないことです。
 政府は介護離職ゼロを掲げながら、本法案の中身は、更に介護離職を拡大し、介護難民を拡大する危険を増大するものとなっています。
 断固反対することを強く申し上げ、反対討論といたします。

#希望のつばさ福祉会の声明

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