BCA土曜学校のコラムVol. 96〜秋色〜
BCA2校庭の木々が秋色になってきました。すっかり紅葉している木も色づきはじめている木もとても美しいです。
日の出が遅くなり、日没が早くなり、気温が下がってきたなと思っているうちに秋を知らせる色に染まり、カーラインで車を乗り降りする元気な子ども達を見守っています。
日本の秋は暦の上では立秋から立冬の前日までをさします。季語によると8月が初秋、9月が仲秋、10月が晩秋、陰暦の秋は7月文月(ふみつき)、8月葉月(はづき)、9月長月(ながつき)ですが、実際の日常生活や気象学上では、9月、10月、11月を秋としています。
秋は空気も爽やかになり「実りの秋」「読書の秋」「食欲の秋」と言われるように心も体の充実してくる季節です。
「秋」の語源は、空の色が「清明(あきらか)」な時期であるから「あき」という言葉ができた。穀物などの収穫が「飽き満ちる(あきみちる)」季節から「あき」と呼ばれるようになった。草木の葉が紅く変化する季節であることから、「紅(あか)」が転じて「あき」になったなどの説があります。
「秋」という字は、「禾(のぎへん)」と「火(ひ)」の組み合わせです。「禾」は実が成った穀物の形で「ノ」の部分は穀物の穂が垂れている様子を、「火」は天日で乾かすや害虫を火で焼くことを表しているようです。「秋」の元の文字には、いなごなどの虫の形を表す「亀」も入っていることも興味深いです。
・秋茜(あきあかね) アカトンボ
・秋扇(あきおうぎ) 秋までも使われる扇。忘れられた扇。
・秋霧(あきぎり) 秋に立つ霧。
・秋草(あきくさ) 秋に花を咲かす草の総称。
・秋寒(あきさむ) 秋の到来を感じさせる寒さ。
・秋雨(あきさめ) 秋に降る雨。
・秋霜(あきしも) 秋に下りる霜。
・秋簾(あきすだれ) 秋になっても掛けたままのすだれ。
・秋蝉(あきぜみ) 秋になって鳴く蝉。ツクツクボウシ・ヒグラシなど。
・秋空(あきぞら) 秋の高く澄みわたった空。
・秋晴(あきばれ) 清々しく晴れあがった秋の空。秋日和。
・秋祭(あきまつり) 秋の収穫を感謝し、新穀を神に供えて行う祭り。
・秋豆(あきまめ) 大豆の異名。
・秋虫(あきむし) 秋に鳴く虫。スズムシ・マツムシなど。
・秋山(あきやま) 秋の山。
・秋意(しゅうい) 秋の気配。秋の赴き。
・秋雲(しゅううん) 秋空の雲。
・秋穫(しゅうかく) 秋の収穫。
「秋」から始まる二字熟語だけでもたくさんあります。三字熟語、四字熟語、その他秋のつく言葉も多い文字です。
・秋来ぬと目にはさやかにみえねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
(秋が来たと、目に見えてはっきりとわからなかったけれども、風の音が秋らしくて、はっとしたよ。)
・奥山に紅葉踏に分へ鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき 猿丸大夫
(奥深い山で紅葉を踏み分けながら鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋の悲しさを感じるものだなあ。)
・金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に 与謝野晶子
(金色に輝く小さな鳥のような形をして、銀杏の葉が散っている。夕日の差す岡の上に。)
・ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱
(秋も終わりのころの大和の国にある薬師寺。その塔を見あげると、すんだ空に一片の雲がうかんでいる。)
3年生と4年生の教科書に載っている秋の短歌です。
秋を堪能している作者の声が聞こえるようですね。
みなさんも素敵な秋を見つけてください。