BCA土曜学校のコラムVol. 90〜「朝」〜
BCA土曜学校の2学期がスタートした9月、朝晩は肌寒くなり秋を感じる季節となりました。実りの秋と言われる季節です。皆さんの日本語の勉強も充実したものになることを願っています。
今朝、東の空にとてもきれいな朝焼けを見ました。
西に沈む夕焼けはもちろん美しいのですが、太陽が昇ろうとする朝焼けは一日の終わりを告げる夕焼けのもの悲しい美とは違って、これから始まる一日を応援してくれるような力強い光を放っているように見えます。
「朝」の語源を調べてみました。「あさ」と「あした」は同源で、「あ」は「明く」が語源と考えられています。「あした」が語形変化して「あさ」になり、「あした」は本来の意味を失って「明日」の意に転じて「あさ」が「朝」の意味になったという説や、天が開いて明るくなることから「開く」が語源とする説などがあります。
太陽の形「日」の上と下に草の形「艸」を置いて、残月が薄くかかっている中、草の間に日(太陽)が出ている様子から「朝・明けがた」の意味を表すようになったようです。
「朝」は、あさ、あしたの他に、天子がまつりごとをするところ、天子の治める国、天子の治めている世、またその期間、天子に会う、朝鮮などの意味も持ちます。
「朝」のつく好きなことわさを紹介します。
〇朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)
朝早く起きて仕事をするほうが、夜働くより能率が上がり得だということ。
〇朝雨に傘いらず(あさあめにかさいらず)
朝の雨はすぐにやむということ。
〇朝起きは三文の徳(あさおきはさんもんのとく)
朝早く起きるとなにかしらいい事があるということ。
〇一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり(いちにちのけいはあさにあり、いちねんのけいはがんたんにあり)
一日の計画は朝のうちに立て、一年の計画は元旦にたてよということ。
〇朝の来ない夜はない
物事は必ずいつかよい方向に変わるということ。
「朝」という字は、「十」「月」「十」「日」の組み合わせ。十月十日とは、お腹に赤ちゃんを抱えている期間だから「朝」には生まれるという意味があるんだよ、という祖母の声を思い出しています。新しい命の誕生は、喜びと希望にあふれているので、朝を迎えるのは希望を迎えるのだという話です。
いつでも何事にも前向きで新鮮な気持ちで向き合うことができる人になることを願っての言葉だったのではないかと、今思います。
「朝」には、明るい日差しが差し込むようなさわやかなイメージを感じます。
皆さんにも、いろいろなことが起こっても必ず訪れる新しい一日の始まりを大事にし、未来に向かって自分の毎日を積み上げていって欲しいと思います。