● BCA土曜学校のコラムVol.59●
私の枕草子
清少納言の「枕草子」は、高い教養を持つ清少納言が一条天皇の中宮定子に仕えている中で綴った随筆で「徒然草」や「方丈記」とともに日本の三大随筆にあげられています。
中高国語2の教科書には、「春はあけぼの」の段が載っています。この段では、四季それぞれの好きな時間帯をあげその趣を書き綴っています。
授業では、生徒さんが一番と感じる四季それぞれの風物をひとつあげ、それに簡潔な説明を加えるという「私の枕草子」を書きました。
一人ひとりの豊かな感性が表現された素敵な随筆が書きあがりました。
1 春はしだれ桜
小さなつぼみが開く。少しずつ、少しずつ。
ピンク色の世界が広がる。
夏は花火
ぱっと光って、金のきらめきが飛び散る。
暗い夜空に大きな花が咲く。
秋は紅葉
赤、黄、橙色。踊りながら地面に落ち、
色とりどりのカーペット。
冬は氷柱
陽にあたってキラキラ輝く。
めったに見えない冬の宝石。自然のダイヤ。
2 春はそよ風
草むらの僕の体にそそぐ甘い花の香り。
香りを遠くまで送り続けて自分を輝かせる、春はそよ風。
夏は夕立
木の間から怒鳴り続ける風。
竹をもしなやかにくねらせ、雷を鳴り散らす、夏は夕立。
秋は追い風
強く押しつける秋風。
僕は精一杯走りたい気持ちになっていい汗をかく。秋は追い風。
冬は吹雪
横から殴りつける大雪。
目の前がほとんど見えなくなる日は暖炉の前で丸くなる。冬は吹雪。
ここでは二作品紹介しましたが、いずれも素晴らしい作品ばかりです。
作品の交流も、いい雰囲気の中で活発に行われました。
感じる心は、時代をこえても、国をこえても変わらないものだということを確認できた時間でした。