● BCA土曜学校のコラムVol.54●
大志
基礎国語で、書写の学習を行いました。初めての手本は、楷書の「大志」です。
生徒さん達は、始筆・送筆・終筆のリズムと線の太さを筆圧で調整する筆づかいや、中心と点画の組み立て方を意識しながら練習したことで、短時間で持っている力が引き出されました。
左が初めて書いた字、右が学習後の清書です。
「大志」は、「大」きい「志」と書きます。
「志」は、「士」と「心」からできています。「士」は武士の士と同じ形ですが士(さむらい)ではなく、「之く(ゆく)」の略字で、足と出発を表し今いるところから一歩踏み出して行くという意味を表しています。
「心」は、心臓の象形です。心臓は、生命の根源であるとともに思考する場所であるとも考えられてきました。
ですから「志」は、心の之く(ゆく)方向、心の向かうところ、ある方向を目指す気持ち、人生におけるその人の到達目標という意味を持つのです。また、心で思っていることと足の向きが一致してることつまり、心と行動が伴うことと解釈する場合もあるようです。
「志」を含む二字熟語はたくさんあります。
〇志願(自発的に申し出ること。)
〇同志(志を同じように持っている者。)
〇意志(確固として持ち続ける意図や目的。)
〇志向(野心的な計画・非常に高いゴールを持つこと。)
〇士気(物事をしようとする気持ち。)
〇志望(成功に対する願望・大事にしている願望。)等々。
そして、大きな志、将来に対する大きな希望「大志」。
「Boys be ambitious」「少年よ大志をいだけ」というクラーク博士の言葉はあまりにも有名ですね。
土曜学校で日本語を学んでいる皆さんは、将来なんらかの形でアメリカと日本をつなぐ人になるはずです。
心が指し示す方向に一歩一歩足を踏み出して、大きな「志」に向かっていってほしいと思います。