● BCA土曜学校のコラムVol.53●
雪の季節
天気予報の雪マークは表示されなくなりましたが、奥まった場所や道路わきにはまだ雪が残っているところがありますね。
前回の「雪」に続いて、今回は「雪の季語」について触れたいと思います。
雪は「雪月花」のひとつとして昔から愛でられてきました。俳句に用いられる季語もたくさんあります。
例えば「六花」、むつのははなと読みます。雪の結晶の多くが六角形であることからついた言葉です。「雪の花(ゆきのはな)」「雪華(せっか」「雪片(せっぺん)」なども美しい言葉ですね。
その他、・雪催い(ゆきもよい)今にも雪が降りだしそうな空もよう。
・雪ばれ(ゆきばれ)雪がやんで空が晴れる。・風花(かざはな)晴天にちらつく雪。
・しずれ雪(すずれゆき)屋根や木の枝から落ちてくる雪。
・暮雪(ぼせつ)夕暮れに降る雪。夕暮れの雪景色。などなど趣を感じる季語が多くあり
歳時記を見るのがとても楽しいです。
基礎国語の皆さんに「雪の季語」を紹介して、一句詠んでもらいました。いくつか紹介します。
〇六花(むつのはな) 舌にそうっと 溶けていく
〇こな雪や 手袋におちる 六花(むつのはな)
〇暮雪かな 青黄まじる 美しさ
〇粉雪が 空から落ちる 草の上
〇ひきこもり 雪にかこまれ テレビ見る
〇雪だるま 父と一緒に 心あったか
〇雪散歩 犬の足跡 ついていく
〇蜘蛛の巣に くっつき踊る 六花(むつのはな)
感性の豊かさが伝わってくる素敵な俳句に、気持ちが和みました。
これからは、・雪残る(ゆきのこる)春になっても冬の雪が消えずにあるもの。
・牡丹雪(ぼたんゆき)早春に降る水分の多いふわふわした雪。雪代(ゆきしろ)雪解けの水など、春の季語としての雪を使う季節になります。