BCA土曜学校のコラムVol.25 ~箸~
・箸にも棒にもかからない(ひどすぎてなんとも扱いようがない。)
・箸が転んだのもおかしい(若い娘がちょっとしたことでも笑うこと。)
・箸の弱いのと男の弱いのは食えない(箸と男が弱くては生きていけない。)
など、「箸」のつくことわざや慣用句、熟語がたくさんあります。それだけ、「箸」は 日本人の生活に馴染んでいるもの、なくてはならないものだということですね。
BCA土曜学校では、給食の時間に清水校長先生より「箸」についてお話がありました。
うつわと箸の取りあげ方、箸の持ち方、箸の正しい使い方が確認できたことと思います。
箸は、中国から日本に7世紀には伝来していたと言われています。
聖徳太子が日本で初めて新しい箸食(はししょく)制度を朝廷の儀式で採用し、一般市民に広まったのは8世紀になってからです。
箸の語源は、① 食べ物を挟む役割をはたす②.端(はし)の方でつまむ③見た目の形が「橋」や「柱」に似ている④鳥のくちばしに似ているなどの説があります。
数え方は、鎌倉時代に一人用の膳(ぜん)にそれぞれの箸がそえられたことから、一膳・二膳、「膳」と数えられるようになったそうです。「膳」という文字に、体に関する文字に入る「月(にくづき)」が使われていることから、箸が単なる物ではないことが伝わってきます。食べ物で体をつくるという意味も含まれていることがわかります。
食事の時には箸に神様が宿り、口に運ぶ先は人のものでもう片方の端は神様のものといういわれもあるようです。
箸だけを使って食事をする作法が確立されているのは日本だけです。
箸は、二本一組の「一膳」を片手で操り、はさむ・運ぶ・裂く・ ほぐす・はがす・すくう・くるむ・のせる・押さえる・分ける・混ぜるという機能を持つ優れものです。
日本人が手先が器用なのは、箸を使うからだとも言われています。
箸で、美しく美味しく食べるのが和食の作法です。
してはいけない「嫌い箸」を下に記しますね。
気持ちのよい食事をするために、自己チェックしてみてはどうでしょう。
・指し箸(箸で人や物をさすこと。)・よせ箸(箸でうつわを引きよせること。)
・刺し箸(食べ物に箸を刺すこと。)・ねぶり箸(箸の先をなめたりかんだりすること。)
・わたし箸(食べている途中で、箸をうつわの上に渡しておくこと。)
・もぎ箸(箸の先についた米つぶなどを口でもぎとること。)
・まよい箸(どのおかずをとるかまよって箸をうろうろさせること。)
・さぐり箸(うつわの奥にあるものをひっぱりだして食べること。)