● BCA土曜学校のコラムVol.24●
書き初め
BCA土曜学校では、4年生が、新春の「春」、今年の干支「犬」、輝かしい「未来」、何よりも健康「元気」、からそれぞれが書きたい文字を選んで「書き初め」をしました。 書き上げた作品を、にこにこしながら持って帰る生徒さんの表情から、一生懸命練習して、満足できる字が書けたことが伝わってきました。
新年を迎え、初めて毛筆で文字や絵を書くことを「書き初め」と言います。
「書」は、昔、天皇や公家など高い地位の人々が書の名人と言われたことから、高度な文化の一つとされてきました。
「書き初め」は、平安時代から宮中で行われていた「吉書初め(きっしょぞめ)」が始まりと言われています。「吉書初め」とは、元旦に汲んだ水「若水」で墨をすり、年神様のいる恵方を向いて詩歌を書く行事のことです。
宮中の儀式が、江戸時代の寺子屋や明治以降の学校教育を通して庶民にも広がり、現在の「書き初め」につながっています。
「吉書(きっしょ)」「初硯(はつすずり)」「筆始(ふではじめ)」などとも言います。
1月2日は「事始め」の日とされており、農家での「鍬入れ」や商家での「初荷・初売」り、漁の「初乗り」などと同じく、
「書き初め」も2日に行われてきました。
この日に始めたことは早く上達するという言い伝えがあり、何事もうまくいきますうに、字が上手になるようにと願って書きます。書いたものは、どんど焼きの火で松飾りやしめ縄と共に燃やし、炎が高く燃え上がることで願いが神様に届くとも言われています。
「書き初め」の文字は、1年の抱負や心構え、意気込みなどが一般的です。新しい年が良い年になるようにと願いを込め、縁起のよい言葉を選びます。
例えば、
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1文字なら、志・夢・翔・学・克・愛・躍・進・叶・己・極・絆・笑・超・挑・素
2文字なら、未来・友情・努力・大志・友愛・笑顔・真剣・実現・初心・平和・達成
4文字なら、初志貫徹・有言実行・一意専心・誠心誠意・日進月歩・一生懸命・真実一路
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読むうちに、今年大事にしたい言葉が浮かんできませんか。
自分が選んだ言葉を、自分にしか書けない文字で心を込めて書く「書き初め」は、年のはじまりにふさわしい、日本の伝統を感じる行事であると改めて思います。