BCA土曜学校のコラムVol.21~和食~
先週の給食の時間、清水校長先生から「和食」についてお話がありました。
「和食」とは、料理そのものだけでなく日本の食文化をまとめてあらわした言葉であり、自然を敬い大切にする心によって和食の文化が育まれてきたことを、具体例を示してわかりやすく教えて下さいました。
2013年12月、「和食;伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され話題になりました。和食が選ばれた理由として、「美しさ、季節の表現」「優れた栄養バランス」「新鮮な食材」「行事との関わり」があげられています。
お正月におせち料理、雛祭りにちらしずし、端午の節句にちまき、十五夜に月見だんご、お彼岸にぼたもち・おはぎ、冬至にかぼちゃを食べるなど、和食は年間行事と密接な関係を持っています。食が、文化やコミュニティーの発展に貢献しているということも評価の対象となったそうです。同じ食べ物も、彼岸は、春はぼたんに見立てて「ぼたもち」、秋は、萩に見立てて「おはぎ」と季節によって呼び名が変わるのにも趣を感じます。
「和食」の他に「和」がつく熟語は、「和服」「和語」「和音」「和楽」「和歌」「和気」「和合」などたくさんあります。
「和」がつく言葉は、日本的なものというイメージがありますね。
日本のことを「和」とするのは、七世紀末に国の名前を「日本」とするまで、日本が「倭(わ)」と呼ばれていたことに由来します。音が同じ響きであることから「倭」に「和」が当てられたのです。
「和」には、 やわらぐ・なごむ・やわらげる・なごやか・気が合う・のどか・うららか・ ほどよい・~とともに・応える・調子を合わせる・調和する。などという意味があります。
文字は、「口」と「穂先が茎の先端に垂れかかる」象形で、人の声と声が調和するという意味の漢字が成り立ちであるとされています。また、「禾」は軍門の前にある標識、「口」は神への誓いの言葉である祝詞を入れる器を表し、軍隊の陣地内で戦を止め、神様の前で平和を誓い合う様子を表現しているという説もあります。
この「和」に「食」で「和食」です。
ゆったりと落ち着いて、なごやかに食事をする。「和食」にはこんな意味も込められているのですね。