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もの言う牧師のエッセー・・・第370話   特別メッセージ 

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もの言う牧師のエッセー・・・第370話   特別メッセージ 
「 私はあなたを赦します 」

    昨年の暮れ、アメリカおよび世界中に衝撃を与えた若干18歳の米黒人青年、ブラント・ジーン君が、アメリカ及び世界130ヶ国からの数万人の弁護士及び司法関係者らの会員で構成されるCAIL(The Center for American and International Law/合衆国法と国際法研究所) から「Ethical Courage Award /エシカル・コラージ(倫理と勇気)賞)」を受けた。

2018年9月6日の夜、テキサス州ダラスのアパートで悲劇は起きた。当時婦人警官だったアンバー・ガイガー(現在服役中)が、仕事から帰宅する際に、⾃宅と勘違いして⼀つ上の階に部屋に⼊り、リビングルームでテレビを見ていた当時26歳の黒人青年ボーサム・ジーンさんを“侵⼊者“と勘違いし、あろうことか射殺してしまったのだ。「また白人警官が黒人を殺した!」と全米に囂々たる非難が渦巻く中、2019年10月1日、アンバーに10年の禁固刑が言い渡された。「たった10年?」怒りが爆発する黒人団体を尻目に、最後に証言台に立ったボーサムさんの弟のブラント青年がこれから刑務所へと向かうアンバーに驚くべき言葉を投げかけた。

「もし あなたが心から謝罪するなら、私はあなたを赦します。もしあなたが神にそう尋ねるなら、神もきっとそう言うでしょう。また、兄のボーサムもきっと同じことを願うでしょう。悲しんでいる私の家族の前でこんなことを言うのもなんですが、私はあなたに刑務所にさえ行ってほしくない。あなたに何も悪いことが起こらないように願います。あなたには良いことだけが起こってほしい。そして、残りの人生をキリストのために生きてほしい。」 静まり返る法廷。そして、ただ隣席者のすすり泣く声が聞こえる中、彼はアンバーをハグしたのだった。

その後、涙を拭いつつ状況を見ていたタミー・ケンプ判事は、泣きじゃくるアンバーに近づき、抱きしめ、自ら毎日使っている聖書を取り出し、「これがあなたのスタートよ。」と言って

ヨハネ3章16節「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」

を読み上げ、聖書を手渡した。いっぽう裁判所前では、判決を不服とする大群衆がデモを繰り広げた。さらに無神論者の団体は「テキサスの判事は政教分離の一線を越えた!」と金切り声をあげた。また、ボーサムさんが生きていれば28歳ということで検察は最低でも禁固28年を求刑していた。母親のアリソンさんは息子ブラントの態度に理解しつつも法と警察の怠慢には不満を募らせた。父親のバートラムさんは「日曜日が一番辛い。一緒に教会で礼拝し、毎週彼は聖歌隊で歌っていたのに、彼はもういないのです。」と涙に暮れる。様々な立場とそれぞれの思い、怒りと悲しみ、不条理に対する答えなど無いのかも知れない。それゆえに、ブラント青年が示したキリストの愛は強烈な光芒を放ち、人々を揺さぶった。そして改めて知る。キリストの愛だけが人を救う唯一の答えなのだと。    2020-2₋7

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