この時期になると、ご近所さんが大量の枇杷の実をおすそ分けしてくださいます。この枇杷の実、アメリカ人は食べないんですね(メキシコ人は食べるみたいです)。うちのガールズ(特にメレン)は小さい頃からもぎたてフルーツに目がなく、この枇杷もいただく度にあっという間になくなってしまいます。 枇杷を見ると、自分が最も小さかった頃の記憶がよみがえります。 私は東京の練馬というところで生まれ育ったんですが、小学校に入学するまで、鹿児島から移り住んでいた父方の祖父母が建てた家に住んでいました。洋風の応接間があったりしたので、割とモダンな造りだったのかもしれません。がっしりとした石垣の門をくぐると鬱蒼とした庭があり、松やグミの木などが植えられていて、その中に枇杷の木もあったのだと思います。 初夏の真っ青な空の下で枇杷の実を取り、冷たい水で洗って食べた光景を覚えています。 自分が覚えている、最も古い記憶ってありますよね。私にとっては、この家の玄関で(多分幼稚園に入る前だったと思うので2才後半くらい)靴を履きながら、「ハイばあちゃんち(母方の祖母が拝島に住んでいたのでこう呼んでいた)に行くー」と言っている自分です。 私と1才上の姉は、増築されたプレハブの部屋をあてがわれていました。窓には『小鹿のバンビ』のバンビと森が描かれた鮮やかなグリーンのカーテンがかけられていて、その横のベッドで寝る前に母は『かちかち山』などの本を読んでくれていたのを覚えています。そしてぜか冬に湯たんぽを使っていたことも(笑)。3つ下の弟もこの家で生まれたのですが、まだ小さかったので、2階の両親が使っていたダブルベッド(ちなみに母は今でも使っている!)で一緒に寝ていたと思います。この家は、私が小学校に入学する時期に新築に建て替えられました。 今、サンディエゴの我が家の庭でもいくつかのフルーツが生っています。甘いブルーベリーは食べ頃で、ブドウはこれから大きく熟していくでしょう(プラムや梨もあるのだけど、今年はお見かけしなかったな)。うちの子供たちも、こういった庭に生る果物の思い出と共に成長していくのだと思うと、なんだか嬉しくなります(植えてくれたお父さん、ありがとう)。