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波猫まち子の日記

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二冊の本から学んだこと

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気が付いたら3月も終わりに近づき、子供たちは春休みに突入しています。Nは女友だちに誘われて(怪しいと思ったけど、本当に友だちとしか思っていないらしい)5日間キャンプに出かけてしまい、MはMで親友ファミリーの家にお泊りしたり、Knott's Berry Farm(遊園地)に連れて行ってもらったり。今日は別のお友だちに誘われてビーチ。それぞれ春休みをエンジョイしているようです。

子供たちが全員家に居ると、喧嘩が始まったりでイライラするけど、2人も居ないとそれはそれで母として寂しい  矛盾していますね(苦笑)。しばらく前に突然オムツが取れたHとのんびり過ごせる~と思いきや、最近いきなりおしゃべりが上手になった彼女(特に日本語)、ウルサイのなんのって  たまにミュート(無音)ボタン押したくなる(笑)。幼稚園の先生に、オムツが取れるのと言語能力には関連性があるって聞いたことがありますよって言われたけど、本当かもしれない。

さて、夫は相変わらずゴルフの日々。以前ブログでもちょっと書いた『Desperate Marriages』と言う本、実はしばらく前に紐解いてしまいました(笑)。私のように夫婦関係で悩み、「もう絶望的だ」と思える状況にいる人たちに向けて書かれた本。「絶望的」と思える結婚の原因を、夫または妻が「無責任(仕事や家事をしないなど)」「ワーカホリック」「支配的」「無反応(無視、会話をしない)」「言葉の暴力をふるう」「肉体的暴力をふるう」「性的暴力をふるう」「浮気性」「アル中または薬物中毒」「うつ病」のカテゴリーに分けてそれぞれの対処法を教えてくれます。

こうやってリストに並べるだけで気持ちがどんよりしちゃうけど(苦笑)、読んでいてとてもためになりました。多分私がこの本から一番学んだのは、相手がどんなであれ、自分自身の対応や感情には責任を持つべきだということ。つまり、相手がどんなに冷たい態度を取ったり、厳しい言葉をかけてきても、私が取るべき感情や態度は選択できる。それは、相手の言葉を無視するとか、聞かなかったことにするとか、責められてると感じるのでもない。「あなたの言っていることは間違ってないけれど、自分のスタンスはこうですよ」という態度。そうすることで関係が対等になり、互いに傷付かなくて済む。それを踏まえた上で、彼に二度ほど彼自身の気持ちを話して欲しいと持ち掛けてみた。

私はなるべく何も言わず、彼の話を聞くことに徹底して。最初の10分くらいは上手くいったんだけど、結局二回とも最後はいつものごとく喧嘩で終わっちゃった (相手の言葉に感情的にならずにいるのは至難の業)それでもなんか、座って話せて良かったと思う。

それともう一冊、最近何とはなしにアップルの創始者、スティーブ・ジョブズの伝記を読み始めたのだけど、これが意外なことに役に立っています(苦笑)。彼と夫を比べる気は毛頭ないのだけど、彼ほど成功した人が、こんなにも変わり者だったことに驚かされました。まず生い立ちにびっくり。実の両親がまだ若くて、人種の違いからも結婚が許されなかったので養子に出された。両親に捨てられたということが、彼の人格に深い影響を与えたようです。子供の頃は学校に興味を見出せず(その頃から権威的なものにアレルギーがあったよう)、悪戯が絶えなかったらしい。学生時代はヨガに傾倒、グルを探しにインドまで行き、帰って来てからもヒッピー的風貌は変わらず、お風呂は週に1回(一緒に働く人たちは彼の体臭に耐えられなかったとか)、食べ物はフルーツだけというストイックさ(だから会社名がApple)。

私が彼の何に興味を持ったかというと、人に対する態度。自分が気に入らないと相手の気持ちなどお構いなしにことごとく非難・批判の嵐。あるいは自分が認められないと大泣きするような子供っぽさ。彼と一緒に働くのは至難の業だったようです。それもこれも、自分の作品(Macintosh、ちなみにこれもリンゴの種類)を思い描く理想の物にするのだという、妥協など1ミリも許さないこだわりがあったから。彼には、人類の歴史に残るような、機能の素晴らしさだけでなく、姿形全てにおいて美しいコンピュータを作ることができるという自信があり、それを一般の人たちの手に渡すのだという使命感さえあった。

彼の成し遂げたことは本当に素晴らしいのだけれど、彼の人生を振り返ると破天荒この上ない。傷付けた人は数知れず。共同創始者であり親友であった、スティーブ・ウォズ二アック氏に対してさえも、一度だけお金のことで騙したことがあるよう。

こういう人って言うのは、他人に対して悪気があるわけじゃないんですよね。ただ、自分の中のこだわりや理想が強すぎて、それを相手に押し付けちゃうところがある。でも、そのアイデアが素晴らしいものであるという確信が本人にあるし、ある意味相手もそれが本物であることがわかるから、腹を立てることがあってもついて行ってしまうのかな。まだ半分も読んでいないので、彼がどうやって結婚し、子供とはどんな関係を持っていたのかが気になるところです。

つまり、彼の本から学んだのは、人(私の場合、夫)の問題行動の多くはその人自身によるものが大きく、相手(私)に問題があるわけじゃないということ。そうわかったことで、夫に対する理解がより深まった気がします。不遜な態度の奥に隠れている彼が本当に求めているもの(自分の仕事や家に対する理想や美学)、それを知る必要があったんですね。理解するのと賛同するのはまた違うんですけど(苦笑)。

彼が春休みでもお構いなく(春休みと私が言わなければ気付くことさえないと思う)ゴルフ三昧なのも、家族を愛していないからではなく、彼の中で仕事とゴルフと家庭のバランスを上手に取れないだけなんですね。だから、「夕食だけは一緒に食べて欲しい」とお願いしたら、ちゃんと帰ってきてくれるようになったし(帰れない日も多いけど、そういう日も申し訳なさそうに連絡をくれるようになった)、家族で一緒に映画を観に行こうと提案したら「良いね、行こう」と乗ってきてくれた。今まで私は積極的に一緒にできることを企画せずに、「どうして家族と一緒に過ごさないの、父親としての役割も果たして欲しい」というふうに責めてばかりいた。だから、聞く耳を持たなかったんですね。

絶望的だと思える状況でも、やはり光はどこかに存在しているのかもしれません

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