Mの新しいライディング・スクール
6月
10日
以前の場所は、知り合いが通っていたので紹介してもらい、1年ほど習っていました。その前はやはり1年ほど、また別の場所でレッスンというよりは馬小屋に遊びに行って馬に慣れ親しむという感じで行っていました。ですので、4月まで通っていた場所では一から馬のノウハウを教えてもらい、ショーも何度か経験して良い成績を収めたので、指導は決して悪くなかったと思います。(値段も、他を探して初めてわかったのですがとてもリーズナブルでした)。じゃあなぜ止めたかと言うと、まず遠い(トラフィックもあったので往復1時間半、レッスン1時間半、トータルで3時間かかる)。週1でも精一杯だったのに、週2日来るように言われたので、もう無理かなと。そして、もしかしたらこっちの方が決め手になったかもしれないのだけど、経営者でもあるトレイナーにどうしても好意を持てなかったのです。今から思えば、一番最初にBarnを訪れた時も、大した説明もしれくれないし、そっけなかった。いつも話しかけにくい雰囲気を醸し出していて、止める直前に行われたポットラックランチでは、はっきりと全員に「レッスン中は集中したいから、気軽に話しかけないで欲しい。後、自分が休みの日も。それから、ショーに出る時は(自分もショーに出るのでその準備に忙しいから)自分たちのことは自分たちでやって欲しい。」とのたまう。
う~ん、わからなくもないですよ。ここはあなたのBarnで、あなたのやり方があるのは。でも、あなたは子供たちに指導する身であり、私たちはお金を払っている親。もう少し私たちに敬意を払うべきでは?と言うのは言い過ぎかな。よく、不愛想な人が実はシャイなだけで実際はとても優しい人だったりすることがあって、彼女もそのパターンかと思ったけど、そうではなかったみたい 若くして(今もまだ20代)、Barrel Racing(ロデオの競技の一種)で優勝したこともあり、このBarnも自分の力で築いてきた。その努力は認めるんだけど・・・非常にシリアスな性格で彼女の回りはいつもピリピリしている感じ。そういう雰囲気は周囲にも影響するから、来ている生徒たちも今一つ笑顔がない。それまで何も不満を言わなかったMが止めた後一つだけ言ったのが、「不思議なんだけど、あそこに来る人たちってほとんど会話しないんだよね」。
今から思うと、そこに行くだけで緊張しちゃって、気持ち的に萎縮していた気がします。彼女に気を遣うというか。だから、「これからは週2日来るのがルールです」って一方的に言われた時は、「え?」って思ったし、距離と時間の問題が一番大きかったけれどそれ以上に、なぜここに来たくないのかがわかったのです。
新しいスクールは有名なDel Mar Racetrack(西海岸では一番、建物の美しさやロケーションの良さで知られる競馬場)の目と鼻の先あります。ここのトレイナーKを強く勧めてくれたのは、前の場所にいたもう一人のMのトレイナーでした。最初に彼女と電話で話した時、すぐに「彼女こそMのトレイナーだ」とピンと来るものがありました。メキシコ人である彼女は最初に、「私は、馬のレッスンうんぬんよりも、まず礼儀を重んじる指導から始めます。挨拶や尊敬というのは、人間として最も大切なことですから」と言ったのです。そして、レッスンの値段を聞いた時、「はっきり言わせてもらいますが、私は安くないです。しかし、それに見合う指導をしているつもりですし、それなりに本気で習いたい人に来てほしいのです。」確かに前のところの2倍弱、とかなり高額なお値段。でも、月に8回そこそこの場所に通わせるよりも、月に4回密度の濃いレッスンを受けた方が良いのではないか、と思ったのです。
それは、Mの乗馬への真剣さに改めて気づかされたから、というのもあります。4月のショーで、参加したレベル4つすべてで優勝したM。前回のショーで成績が優れなかったので、次回は絶対優勝したいと思っていた、と後から告白した彼女。こういう姿勢を見たらどんな親でも「この子にはちゃんとしたレッスンを受けさせてあげたい」って思いますよね(笑)。
そして受けたKのレッスン。Kは私が想像していた通りの人(50代と思われる)で、ラテン系の大らかさの中にもピシッと筋が通るものがあり、レッスンにちゃんと目を向けながらも(アシスタントも伴いながら)初めて来た私と会話することも忘れず、レッスンはユーモアも交えながら。以前の気を遣いながらBarnに行っていたのとは大違いで(ちゃんとした見学席まである!)、ここでは人間として温かく迎えられてる感じ(笑)。前の場所ではケガがあっては大変と小さなHはあまり歓迎されていなかったのに、ここでは微笑ましく接してもらえる。場所によってこなにも差があるのかーーーとびっくりでした。
ただ一つ心配なのは、Del Marと言う場所柄、裕福層の人たちが多く来るのではということ。実際、アシスタントしていた高校生の女の子も、話しかけてきたMと同級生の女の子も、目が飛び出るくらい高い私立の学校に通っている。そういった、お坊ちゃん、お嬢ちゃんの中でMがどういう立ち位置でやっていくのか。なんせ、週に1回通わせるのが精一杯な我が家ですから しかし、Kはそんな私の胸中を察したのか、「大丈夫。彼女がこの先もっと通うことになったら、値段のことも考えてあげるから。うちで手伝ってもらったりとか」って言ってくれたので、希望が持てそうな(?)予感です。