幼児化するストレス社会:中国で流行る“大人用おしゃぶり”
8月
29日
■ なぜ“大人がおしゃぶり”なのか?
経済の低迷や雇用環境の悪化は、若者たちに「将来への見通しのなさ」を突きつけている。
がんばっても報われない社会で、人は無意識に“退行願望”を抱く。
つまり、大人としての責任や競争から解放され、守られていた幼児期の感覚に戻りたいという欲求だ。
おしゃぶりを口にする行為は、心理学でいう「口唇期への退行」に近い。
タバコや過食、爪かみといった行動と同じく、不安を和らげる自己慰撫(セルフ・ソージング)の一種だ。
ただし今回は、それが玩具でも嗜好品でもなく、堂々と「商品」として売られている点が新しい。