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初心忘るべからず

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初心忘るべからず
日本はこのところ各地で雪の寒い日々のようですが、ここシアトルは例年になく暖かい、雨の少ない冬の始まりです。

12月。師匠が走るほど忙しい師走と書きます。
年末年始には、その年の反省をし新年に向けての誓いを新たにする人も多いのではないでしょうか。

小学六年生の頃の座右の銘が「初心忘るべからず」でした。

その意味は、「物事に慣れてくると、慢心しがちになる。始めた時の新鮮で謙虚な気持ちや志を忘れてはいけない」と理解していました。

週末、NHKテキストブックで「風姿花伝」を手にして、本来の意味はもっと深い違ったところにあると知りました。

この言葉は、世阿弥の「風姿花伝」でなく、「花鏡」出てきます。「初心忘るべからず」について「この句、三箇条の口伝あり」とあります。

  是非初心不可忘
  時々初心不可忘
  老後初心不可忘

世阿弥のいう「初心」は、「最初の志」に限られていないということです。
若いとき、人生の時々、そして老後の初心と人生のなかでいくつもの初心に出会う。

初心忘るるべからずの「初」とは、「衣」と「刀」でできています。それは布に刃物を入れる、つまり美しく織り上がった反物に鋏を入れるという意味。すなわちいつでも何度でも、でき上がったものを壊してゼロから新しいものを創り上げろ、と言っているそうです。(川村義之さんのFacebookより引用)

世阿弥は身体を通した芸の向上でこれを言っています。

つまり、若い頃の未熟な芸に慢心せず、上達の過程で幅広い芸を目指し、老後に相応の境地へと向上を目指す。たゆまない努力の継続を節目をもって続けること。

修練、鍛錬、修行など身体と心が一致し、一如となる世界だけで言えるだけでなく、通常の生活においても頭の隅に置いておきたい言葉だと改めて感じました。
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