ロタウイルス感染症のお話
12月
4日
冬にはウイルス性胃腸炎が流行します。
ウイルスが胃腸に感染することで下痢や嘔吐、腹痛、発熱などの症状が出ます。
原因となるウイルスにはアデノウイルスやノロウイルス、ロタウイルスがあります。
今日はロタウイルスによる胃腸炎のお話をご紹介します😊
○ロタウイルスってどんなウイルス?
とても感染力の強いウイルスです。
感染者の下痢便1gの中には1000億〜1兆個のロタウイルスが含まれているといわれています。便に含まれるウイルスの量が多いことで知られているノロウイルスと比較しても、なんとそのウイルス量は100万倍にもなります。
○どうやって感染する?
ロタウイルスによる胃腸炎の患者さんの便中に含まれるウイルスから感染します。十分に手洗いをしても、手や爪に数億個ものウイルスが残っていることがあり、ロタウイルスが付いた手などから感染が広がっていきます。
○どんな症状が出ますか?
2~4日の潜伏期間(感染から発病までの期間)の後、水のような下痢や嘔吐(おうと)が繰り返し起こります。その後、重い脱水症状が数日間続くことがあります。発熱や腹部の不快感などもよくみられます。
大人は免疫によりほとんどの場合、症状が出ません。しかし、赤ちゃんや小さなお子さんなどは、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。
○治療法はありますか?
現在、効果のある抗ウイルス剤はありません。脱水を防ぐための水分補給や体力を消耗したりしないように栄養を補給することなどが治療となります。脱水がひどい場合には点滴を行うなどの治療が必要になります。
○予防のためには?
オムツを適切に処理すること、手洗いの徹底などです。
オムツを交換するときには使い捨てのゴム手袋などを使い、ポリ袋などに入れて捨てましょう。
手洗いは指輪や時計を外して、せっけんで30秒以上もみ洗いします。
衣類が便や吐物で汚れたときは、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)でつけおき消毒した後、他の衣類と分けて洗濯しましょう。回復したあとも便の中にはしばらくウイルスが排出されます。
感染力が強いことで有名で、ほとんどのお子さんが5歳までには感染すると言われています。
石けんでの手洗いやアルコール消毒だけでは、完全に感染を防ぐことはできません。予防のために、ロタウイルスワクチンを接種しましょう。
当院ではロタウイルスワクチン接種もさせていただいております😊