ビタミンKのお話♪
9月
28日
☘ビタミンKって何?
血管が傷ついた時、出血を止めるためには「ビタミンK」が必要不可欠です。
これが不足すると出血を止められません。
☘赤ちゃんがビタミンK不足になりやすいのはどうして?
赤ちゃんの身体には大人の5分の1ほどしかビタミンKがないと言われています。
大人は腸内細菌が作ったビタミンKがあり、不足することはめったにありません。
お腹の赤ちゃんにはまだ腸内細菌がいないので、胎盤を通じてお母さんから受け取ります。しかし、ビタミンKは胎盤を通りにくいので、赤ちゃんの身体には大人よりもビタミンKが少ない状態になってしまうんですね。
生まれてすぐには十分な量の腸内細菌がいないため、赤ちゃんは母乳やミルクからビタミンKを摂る必要がありますが
赤ちゃんの哺乳量が少なかったり、母乳中のビタミンKが少ないとビタミンK不足になってしまいます。
☘ビタミンKが不足するとどうなるの?
ビタミンK欠乏性出血症という病気になることがあります。
「新生児ビタミンK欠乏性出血症」
産まれてから7日までに起こります。
消化管での出血が多く、血を吐いたり便に血液がまじったりします。
「乳児ビタミンK欠乏性出血症」
産まれてから3週間~3ヶ月の間に起こります。
8割以上が頭の中に出血すると言われており、不機嫌・嘔吐・けいれんなどの症状が見られます。
☘ビタミンKを摂ると出血症は防げる?
生まれた直後の赤ちゃんに適切にビタミンKを投与することで、生後1週間以内に起こるビタミンK欠乏症をほぼ完全に防げることが分かっています。
ビタミンK投与の普及で乳児のビタミンK欠乏症の発症割合は従来の10分の1に減少しています。
また、週1回ビタミンKを予防投与された赤ちゃんの中からは発症が見られなかったという報告もあります。
☘ビタミンK不足を防ぐために病院ではどんな事をしていますか?
当院では産婦人科学会・小児科学会の指針に沿って「ケイツーシロップ」というビタミンKを含むお薬を赤ちゃんに飲んでもらっています。
ご入院中に2回、1か月健診で1回です。
1か月健診の時にお母さんに赤ちゃんの哺乳状況や母乳とミルクの授乳割合などをヒアリングさせていただき、引き続きご自宅でもケイツーシロップの服用が望ましい場合には処方をさせていただいています。
飲む回数や赤ちゃんへの飲ませ方などもお話いたしますので、ご安心下さいね✨