御存知の方も多いかと存じますが、「wrap」という元気回復行動プランというものがあります。 精神的な危機を如何にリカバリーするかというものです。 これを基に大阪市が平成21年3月に作成したのものが就業準備チェックシートです。 http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000006/6081/syurou.pdf http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000006/6081/syurou-setumei.pdf 職場での「うつ」「パニック症候群」等の問題を考える中で、これを組織に活かせないかなと考えておりました。 それを分かり易い形にしている病院がありましたので御紹介致します。 ---------------------------------- 公益財団法人住吉偕成会 住吉病院さんのブログより。 http://blog.cabrain.net/CN010030/article/id/17917.html WRAP はアメリカで Mary Ellen Copeland さんを中心にアメリカの当事者たちが開発したプログラムで、毎日楽しく元気に過ごし、働くことも含めた自分の目標(リカバリー)に向かって前進できるよう工夫されたものです。わが国においても、久留米大学を中心にして最近紹介されはじめている自己管理とリカバリーのためのツールです。 WRAP は次のプランから成り立っています。 ・元気に役立つ工夫(Wellness Toolbox) ・日常生活管理プラン ・引き金になる出来事・それに対処するプラン ・注意サイン・それに対処するプラン ・調子が悪くなってきている時・それに対処するプラン ・クライシスプラン(緊急状況への対応) ・緊急状況を脱した時のプラン ですが、元気が必要なのは当事者ご本人だけではありません。多職種からなる支援チームにだって元気は必要です。先日は、専門職向けのワークショップで「チームが元気でいるためのプラン」を作りました。 【チームが元気でいるためのプラン】 1.チームが「良い状態の時」はどんな状態? オープンな会話 活発な表現 情報の共有 肯定的な雰囲気 笑顔 <「良い状態」を保つ工夫> ☆毎日やると良いことのリスト 個人の健康管理 雑談 あいさつ ☆時々やると良いことのリスト 誕生日会 他の職種を経験してみる 業務管理 ボランティア活動 ☆年に数回やると良いことのリスト 第三者評価を受ける 学会発表 利用者を讃えるイベント 旅行・合宿 新しいチームメンバーの加入 2.チームが「ちょっと困った状態」になったときのサイン 沈黙 悲観的 チームリーダーへの依存 情報提供ができない ミーティング欠席・遅刻 視線が合わない ミーティングで特定の人だけが話す 3.そのようなサインが出たときに、すると良いことリスト インフォーマルな場を作る 自分でやれることはやる 振り返り 大きな規模のカンファレンス 個別に相談されたことを全体には持ち込まない 失敗OK(=チャレンジ)の雰囲気 どこの組織でも多職種チームのところは同様の悩みがあるのだと、ほっとし、また、思いつかなかった解決策が耳にできたことがとても収穫になりました。このワークの中で、スタッフチームが元気でいるためのアクションプランをすすめるためのキーワードが出来上がりました。 スタッフが元気でいるために大切なのは しなやかさ・すこやかさ・さりげなさの3Sです ---------------------------------- 本人の素養・資質の問題として全て切り捨ててしまう前に、組織として取り組めるもの、ケアできるものは何かという視点の一助になれば幸いです。 組織として悪い状況を改めて定義したり、リカバリープランをメンバーで練る事が重要なポイントです。 少し体系立てて、組織としてこのような取り組みをしてみる時間を作る事もお勧めです。 仕事なのだからこれくらいの負担は当然だという常識でクリアできるのであれば、職場のメンタルヘルスの必要性がここまで高まってはいないと思います。 現在の経営環境の中で、若手だけでなく熟練した人達だからこそ、阿吽の呼吸が悪循環に陥ってしまう危険性が高まっているのかも知れません。 wrapの日本語HPは以下です。 http://www.mentalhealthrecovery.com/jp/copelandcenter.php