父が他界した。
正月に私が帰国して両親と時間を過ごしたときには元気だった。
79才、心筋梗塞だった。
子供のころ、父はいつも仕事で忙しく、一緒に遊んだ記憶はほとんどない
不動産業を営んでいた父は、いつも「物件、物件」と言っていた
ときには、電話口で辛そうな顔をしていることもあった
家族を守るために、お客様のために、
彼は毎日戦っていたのだと思う。
日本の弟から、
「突然ですが、今朝父が亡くなりました」
との報告を受けた。
異国に住んでいる私には、その突然の知らせを聞いても実感がなく、
冷静にその日を過ごした。
夜、
様々な思いが頭を駆け巡り、寝られなかった。
朝になり、
急に涙があふれてきた。
父はバブルのときに大儲けに走らなかった。
「嘘をつくな、正直であれ」
その信条を通した彼は、業界では異質な存在だったと聞く。
バブルが崩壊し、多くの同業者が夜逃げをしたり、借金を抱えて倒産したり、
そんな過酷な状況で、父は生き残った。
「嘘をつくな、正直であれ」
私が父の背中を見て教わったこと。
私がその信条を継承することが、
父への最大の供養であり、
息子である証
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