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もの言う牧師のエッセー 第383話  

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もの言う牧師のエッセー 第383話   
ジミー・カーター後編「 その慧眼 」
 
   その誠実さから「ウソをつかない努力をした最後の大統領」、「史上最高の元大統領」などと大統領退任後の活動の評価が高かったカーター氏であるが、最近になり在任中の業績についても焦点が当たりつつある。
 
冷戦期にあえて「人権外交」を掲げ、1978年には、エジプトとイスラエルの首脳をワシントン近郊キャンプデービッドの大統領山荘へ招待し、3日間の会談予定を13日間に延長、忍耐強い交渉の末に両国間の不信を取り除き、互いに敵対していたアラブ・イスラエル初の歴史的単独和平合意に導き世界を驚かせた。
 
彼はその前年にアメリカ大統領として初めてパレスチナ人国家建設を容認する発言をしていたが、いま戦争に明け暮れる中東を見る時、カーター氏の洞察は非常に暗示的だ。また同じ頃、彼はパナマ運河を1999年にパナマへ返還することを約束する条約を締結したが、翻って今のトランプ政権がパナマ運河の“再返還“を主張し始めたの見ても何をか言わんやである。
 
しかし実のところ彼の真骨頂は環境問題にある。1979年、第2次石油ショックのさなか、彼はホワイトハウスの屋根に初めてソーラーパネルを取り付け、除幕式の演説で2000年までに国内エネルギーの20%を太陽光でまかなうことを目指すと表明し、エネルギー問題と環境面においての新しい取り組みを示した。
 
エネルギー省を創設し、再エネの開発や省エネ促進を目的とした連邦法を制定するいっぽうで、アラスカ州北部の石油採掘を巡って石油業者らとの論争の末に日本の本州ほどの原生地を自然保護区に指定、当時としては珍しい土壌汚染対策の法制化も行うなど、自然保護団体「自然資源防衛協議会/NRDC」マニシュ・バプナ会長は「カーター大統領は40年先を行っていた」と評価する。
 
さらには彼の指示で80年にまとめ上げた政府の特別調査報告「西暦2000年の地球」がスゴイ。日本語訳も出版され、二十歳頃の私も少し目を通したことがある。人類が従来通りの経済活動を続けた場合にいかなる環境変化が生じるか概略を示し、化石燃料に依存して二酸化炭素の排出を続けた場合、21世紀半ば頃までに世界の農業生産に「極めて破壊的な」影響をもたらし、各地の降水パターンにも大きな変化が生じ、中緯度地域では2~3度の気温上昇をもたらすと警告した。
 
米作家ジョナサン・オルター氏は、20年に発表した著作においてカーター氏を「気候変動の問題を認識した最初の世界的指導者」とその先見性を絶賛する。また、ピュリッツァー賞受賞者であるカイ・バード氏は「異端者 ジミー・カーターの未完の大統領職」というタイトルの著書を出したが正に言いえて妙である。カーター氏が示した正直さ・公正さは、米国のみならず 神がくださった人類本来の姿を取り戻す理想に燃える彼の慧眼が土台であると言えよう。 聖書は言う。
 
「主を恐れることは知恵の初め、
 聖なる方を知ることは悟りである。」   箴言9章10節
 
2025-2-10

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