もの言う牧師のエッセー 再投稿
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第350話「 釣りアイドル 」
第350話「 釣りアイドル 」
ユニークな記事を「スポーツ報知」で見つけた。 公益財団法人「日本生産性本部」によれば、90年代には2000万人以上いた釣り人口が2016年には約690万人と、約3分の1に減ったという。原因はレジャーの多様化と、アメリカ同時多発テロの影響だ。テロをきっかけに国際条約が改定され、日本も「国際船舶港湾保安法」により全国100か所以上の港などに立ち入りが禁止になり、家族や初心者が手軽に釣りをできる場所がなくなった。その結果、40代以上の男性が釣り人口の中心になってしまった。
そこで少しでも釣りに対して関心を持ってもらおうと、釣り具メーカーなどで作る「日本釣用品工業会」が、釣り具の見本市「ジャパンフィッシングショー」で2010年から毎年オーディションを行い、グランプリに選ばれた女性が“釣りアイドル”となって釣りのファンの開拓、釣り業界のイメージアップを目指している。彼女らは歌手や女優、モデルをはじめ、美容師やOLといった様々な経歴の人たちがいるが、歌は歌わず、握手会もない。船の上や川に入ってひたすら釣りをする。竿を持って笑顔でいればいいのではない。船が揺れようが豪雨が降ろうが、何としても魚を釣り笑顔で写真に収まらなければならない。
これまで9人が選出されたが、中でも教員免許を持つ晴山由梨さんはダントツに釣りが上手く、腕前は上級者並み。あまりに彼女がキュートで場違いに見えるからか、船に乗ると周りの男性は「本当に釣りするのか?」と疑うそうだが、たいてい誰よりも多くの魚を釣るので皆ビックリ。船酔いする時があり、雨が降れば化粧も落ちる。晴れた日には日焼けもするので、彼女にとっては厳しい環境での仕事だ。しかし晴山さんは「釣りを広めたいんです。たくさんの子供たちに釣りを教えていきたい 。」
実は聖書には魚の逸話が多くあり、イエスを巡って釣りの話もある。イエスはある街で「宮の納入金を払え」と言われた。もちろん神である彼に“神を礼拝する場所”である宮に金を払う必要はなく、しかも彼は慈善家で多くの人に施しをしていた。にも関わらず、彼は弟子である元漁師のペテロに、
「彼らにつまずきを与えないために、湖に行って釣りをして、
最初に釣れた魚を取りなさい。
その口をあけるとスタテル一枚が見つかるから、
それを取って、わたしとあなたとの分として納めなさい。」
マタイの福音書17章27節、
最初に釣れた魚を取りなさい。
その口をあけるとスタテル一枚が見つかるから、
それを取って、わたしとあなたとの分として納めなさい。」
マタイの福音書17章27節、
と命じられた。繰り返すが彼は神であり、人気者でもあり、奇蹟を起こして宮に入場できたはず。「神を信ぜよ」と言うのはたやすい。しかし、雨の日も暑い日もシンドイ時もあえて地道に遠回りする。福音を広め、たくさんの人々にイエスを教えるために。 2018-8-27