もの言う牧師のエッセー 再投稿
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第326話「 ミシュラン三つ星返上 」
昨年9月、料理界に衝撃が走った。99年にミシュランの三つ星を獲得して以来、2017年まで維持してきたフランス・オーブラック地方ライヨール村のレストラン「ブラス ル・スーケ」のシェフ、セバスチャン・ブラス氏が、フェイスブックを通じて2018年度版への非掲載希望を表明したのだ。彼は父である初代オーナー、ミシェル・ブラス氏から10年前に同レストランを託されたのだがったが、その人気は全く衰えることなく、ここ20年にわたり昼も夜もテーブルは満席、世界中から人々が嬉々として訪れる。
第326話「 ミシュラン三つ星返上 」
昨年9月、料理界に衝撃が走った。99年にミシュランの三つ星を獲得して以来、2017年まで維持してきたフランス・オーブラック地方ライヨール村のレストラン「ブラス ル・スーケ」のシェフ、セバスチャン・ブラス氏が、フェイスブックを通じて2018年度版への非掲載希望を表明したのだ。彼は父である初代オーナー、ミシェル・ブラス氏から10年前に同レストランを託されたのだがったが、その人気は全く衰えることなく、ここ20年にわたり昼も夜もテーブルは満席、世界中から人々が嬉々として訪れる。
仏料理界で名声を欲しいままにして来たミシェル・ブラス氏は言う。「ミシュランを否定するものではありません。料理店を格付けする有名ガイドのいずれもが、その調査方法や評価に暗黙のルールを設けています。しかし、それは必ずしも私やセバスチャンが思い描く店の在りよう、料理スタイルに沿うものではない。純粋に作りたいものを作り、自由に表現することにこそ、料理人としての喜びがある。そこには、他者が定めたルールは要らないのです。ブラス流で進むのみ。店の価値はお客様が決めるのです。」 なるほど。
「実は、忍び込んだにせ兄弟たちがいたので、強いられる恐れがあったのです。彼らは私たちを奴隷に引き落とそうとして、キリスト・イエスにあって私たちの持つ自由をうかがうために忍び込んでいたのです。」
ガラテヤ人への手紙2章4節、
ガラテヤ人への手紙2章4節、
とイエスの弟子パウロが宗教家らに怒気を発した一件に驚くほど似ている。今から約2000年前に教会が発足した後、20年ほどかけて拡大しつつある頃に起こった問題である。せっかくイエスの救いにより罪から解放され自由の身になったにもかかわらず、教会が大きくなり様々な人々が関わるようになるにつれ、それぞれの教会が独自の見解やルールを作りメンバーを縛るようになった。所詮これが宗教だ。だが思い出そう。イエスを信じる者は、己を縛る様々な規定や評価から解放されていることを。ただし、その自由は何でもかんでもやり放題の放縦とは全く違う。イエスの愛の力によって日々をのびのびと歩み、“お客様”である周りの人々や神さまを喜ばせることである。 2018-3-10