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もの言う牧師のエッセー 傑作選

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もの言う牧師のエッセー 傑作選
もの言う牧師のエッセー 傑作選
第247話「 警官がおごってくれた 」 
 
 米国ルイジアナ州バトンルージュで7 月5日未明、⿊⼈男性が白⼈の警官2⼈に取り押さえられ射殺された。その翌日、ミネソタ州ファルコンハイツで又しても白⼈警官が運転中の⿊⼈男性を呼び止め射殺した。


いずれのケースも現場の生々しい様子がネットの動画サイトなどによって全米に瞬く間に広がり、各地で抗議運動が広がる中、7日の夜、テキサス州ダラスで⾏なわれていた抗議活動の最中に、デモを警戒していた警官がアフガン帰りの⿊⼈帰還兵に狙撃され、そのうち5⼈の警官が命を落とした。「白⼈を殺したかった」と常々言っていた犯⼈は警察と未明まで銃撃戦を繰り広げ、数時間の交渉を経た後、警察が仕掛けたロボット爆弾により爆殺され、全米に衝撃が走った。 


明けて8日、⾦曜日の夜、ペンシルバニア州ホームステッドで4⼈の警察官がレストランで食事をしていたところ、彼らの真向かいのテーブルに一組の男⼥カップルが案内されてきた。が、男性はチラッと警官たちを⾒た後、「俺はここに座りたくねえよ。」と言って別の席を指定。カップルは彼らからは⾒えない反対側の席に座ったが、店は何とも言えない気まずい雰囲気に。 


その後、食事を終えた警官たちは⽴ち去ったが、珍事が発覚した。何と彼らはカップルが注文した分の支払いも済ませ、「ご主⼈。あなたのお勘定は警察官がお支払いしました。いつもご協⼒くださり感謝します。」とレシートに書き置きしていたのだ。店によるとカップルは飛び上がるほどに驚いた後にクスッと笑ったそうな。


「いやあ、市⺠と気まずい雰囲気になることはよくあることでね。昨夜のダラスの事件もあるし。」と4⼈の警官の一⼈トーマスさん。「でも、そんなギスギスした時だからこそ市⺠と警察官の間を仕切る壁を少しでも壊す努⼒をしたいんです。」と笑顔で話す彼を⾒て、聖書の言葉 


「みことばを宣べ伝えなさい。
 時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。
 寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。」 
      第二テモテへの手紙4章2節、 


を思い出した。世の中に重苦しい空気が漂う現代、⼈々はますます自分の気持ちを伝えるのを避け、本音を隠し、場当たり的に動いてしまうことが多いのではなかろうか。だが思い出そう。キリストは十字架にかかり、我らの罪のための支払いを済ませてくれたことを。気まずくなった神との関係を修復してくれたことを。改めて自分にも何か出来ることがあるはずだと奮い⽴った。 2016-8-10 

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