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もの言う牧師のエッセー 再投稿

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第233話「 子供の声がうるさい 」
 
  出産3カ月目から子供を預けられずに、退職に追い込まれそうな母親が匿名ブログを通じ、『保育園落ちた日本死ね!!!』という痛烈なメールを発信し、これを受け、民主党の山尾志桜里衆院議員が、2月29日の衆院予算委でこの記事を読み上げたところ、安倍首相が「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」などと言い放ち、日頃から待機児童問題に悩む“保活ママ”たちの怒りが爆発。記事に共感する人たちによるネット署名運動が始まり、開始僅か48時間で2万人以上の署名が集まるなど社会問題となった。


いっぽう、4月に入り、千葉県市川市では、開園予定の保育園が「子どもの声がうるさい」などといった住民の反対で建設中止になった。同市の待機児童は373人で全国市区町村では9番目に多く、関係者らはショックを隠しきれない。子供の遊び声に加え、保護者が送迎する車の通行にも厳しい要求が突きつけられ、その結果、園の庭を半地下にしたり、民家に面した方向には窓を一切作らなかったり、園側の費用負担で民家に防音窓をつけたりすることもあり、「外での遊びは1日45分」「プールでは水をかけ合わない」「送迎時は親も子どもも私語は禁止」といった規則が設けられ、今や迷惑施設の扱いだ。


別に子供の声が昔より大きくなったわけではない。接する機会が減った結果、「今までは地域の音として容認されてきたものが苦情対象に変化した。」と、騒音問題に詳しい橋本典久・八戸工業大大学院教授は述べる。少子化にともない出現した、子供の声に慣れない不寛容な大人たち。待機児童問題と騒音問題に挟まれ、保育施設建設の課題は前にも後ろにも進めず身動きが取れない。
実は聖書には、子供を叱った大人たちをイエスが戒める記事がある。


「さて、イエスにさわっていただこうとして、人々が子どもたちを、みもとに連れて来た。ところが、弟子たちは彼らをしかった。イエスはそれをご覧になり、憤って、彼らに言われた。『子どもたちを、わたしのところに来させなさい。止めてはいけません。神の国は、このような者たちのものです。』」
マルコの福音書10章13-14節。 


見ての通り、子供たちを疎んじたのは、日頃から弱き人々を助け、貧しい人たちに施し、慈善に熱心であったイエスの弟子たちであることが、この問題がいかに複雑かを表している。これは現代日本社会の問題ではなく、もっと普遍的な、もっと根幹的な、人間の罪とエゴにかかわると言えよう。社会の弱者や貧しい人々、そして子供たちを本当に救えるのは神である「救い主」キリストしかいない。日本人がキリストを信じ、彼の聖霊の力で愛の満ち満ちた社会へと内側から造り変えられることを祈って止まない。                   
2016-5-4

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