もの言う牧師のエッセー 再投稿
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第201話「 難民認定 」
内戦が続くシリアなどから難民や移民が欧州に殺到している。幾日も野宿を強いられる人たちや、降りしきる雨の中を子供を抱いて歩き続ける両親たち、警官ともみ合う人々や高圧放水で追い払われる人、真夏日に公道を歩くことが禁じられ畑を通って移動する家族たち。ハンガリー、クロアチア、オーストリアなど行く先々で苦難を強いられつつ彼らはドイツを目指す。なぜか。手厚い難民保護政策があるからである。これまでドイツは欧州で最も多く難民を受け入れてきたが、申請者は今年だけで80万人に達する見通しだ。この問題を巡り米国は、来年度から一年にわたり10万人の難民を受け入れると発表。
さて、日本が2013年に難民認定した人は3260人のうちたったの6人、申請者の0.2%以下、もともと少ない上に前年の18人からさらに減った。まだある。NPO法人「難民支援協会」によれば、仮に認定されても支援が始まるまでに時間がかかる上、就労許可が下りるまでに半年以上かかるので申請者がホームレスになってしまうことが常態化しているという。まさに踏んだり蹴ったりの難民たちであるが、実は聖書には路頭に迷う難民が多く登場する。その筆頭株がユダヤ人たちだ。今から約3500年前、彼らは神の不思議な力によりエジプト帝国の支配を脱した時、
「もしあなたがたの国に、あなたと一緒に在留異国人がいるなら、彼をしいたげてはならない。あなたがたと一緒の在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれた一人のようにしなければならない。あなたは彼をあなた自身のように愛しなさい。あなたがたもかつてエジプトの地では在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、主である。」
レビ記19章33-34節、
との命令が下ったが、逆に彼らは自分たちを救った神への不義理の罪のため40年にわたって荒野をさまよった。さらにその1500年後には、自分たちを救おうと地上に降り立ったキリストを殺してしまい、そのペナルティのためにイスラエルは滅亡し人々は世界中に離散、20世紀中頃に再建国するまで辛酸をなめ尽くした。
実はこの問題は、我々一人ひとりの人生の縮図と言える。誰でも羽振りが良く波に乗っている時は気が大きくなり態度も横柄になりがちだ。しかし僅かなことで歯車が狂い路頭に迷うことがある。だからこそ、そうならぬよう常々神を畏怖し、困った人を助けることが肝要なのだ。
会社を解雇された人、家族を失った人、結婚が破綻した人、いじめを受けている人など、今の世の中には行き場を失った“難民”が大勢いる。だが恐れることはない。我らの罪のせいで父なる神に一度見放され“難民”になった経験のあるキリストご自身が我らを優しく招いて下さるからである。彼の元に来る者は誰でも“認定”され手厚い保護が受ける事が出来る。
2015-9-26
第201話「 難民認定 」
内戦が続くシリアなどから難民や移民が欧州に殺到している。幾日も野宿を強いられる人たちや、降りしきる雨の中を子供を抱いて歩き続ける両親たち、警官ともみ合う人々や高圧放水で追い払われる人、真夏日に公道を歩くことが禁じられ畑を通って移動する家族たち。ハンガリー、クロアチア、オーストリアなど行く先々で苦難を強いられつつ彼らはドイツを目指す。なぜか。手厚い難民保護政策があるからである。これまでドイツは欧州で最も多く難民を受け入れてきたが、申請者は今年だけで80万人に達する見通しだ。この問題を巡り米国は、来年度から一年にわたり10万人の難民を受け入れると発表。
さて、日本が2013年に難民認定した人は3260人のうちたったの6人、申請者の0.2%以下、もともと少ない上に前年の18人からさらに減った。まだある。NPO法人「難民支援協会」によれば、仮に認定されても支援が始まるまでに時間がかかる上、就労許可が下りるまでに半年以上かかるので申請者がホームレスになってしまうことが常態化しているという。まさに踏んだり蹴ったりの難民たちであるが、実は聖書には路頭に迷う難民が多く登場する。その筆頭株がユダヤ人たちだ。今から約3500年前、彼らは神の不思議な力によりエジプト帝国の支配を脱した時、
「もしあなたがたの国に、あなたと一緒に在留異国人がいるなら、彼をしいたげてはならない。あなたがたと一緒の在留異国人は、あなたがたにとって、あなたがたの国で生まれた一人のようにしなければならない。あなたは彼をあなた自身のように愛しなさい。あなたがたもかつてエジプトの地では在留異国人だったからである。わたしはあなたがたの神、主である。」
レビ記19章33-34節、
との命令が下ったが、逆に彼らは自分たちを救った神への不義理の罪のため40年にわたって荒野をさまよった。さらにその1500年後には、自分たちを救おうと地上に降り立ったキリストを殺してしまい、そのペナルティのためにイスラエルは滅亡し人々は世界中に離散、20世紀中頃に再建国するまで辛酸をなめ尽くした。
実はこの問題は、我々一人ひとりの人生の縮図と言える。誰でも羽振りが良く波に乗っている時は気が大きくなり態度も横柄になりがちだ。しかし僅かなことで歯車が狂い路頭に迷うことがある。だからこそ、そうならぬよう常々神を畏怖し、困った人を助けることが肝要なのだ。
会社を解雇された人、家族を失った人、結婚が破綻した人、いじめを受けている人など、今の世の中には行き場を失った“難民”が大勢いる。だが恐れることはない。我らの罪のせいで父なる神に一度見放され“難民”になった経験のあるキリストご自身が我らを優しく招いて下さるからである。彼の元に来る者は誰でも“認定”され手厚い保護が受ける事が出来る。
2015-9-26