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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   
第71話 「兄貴との思い出、後篇」

 チン!
ダンと最後に電話で話してから早くも半年以上が経ったある日の夜、彼のスマホからメッセが届いた。
「ダンの妻のバレリーです。すぐに電話をください。」 
ピンと来た。ダンの最期の時が来たと。

バレリーとはもう13年以上会っていなかった。ハワイの日系4世の彼女は地元の病院で看護師長を努める優秀な人で、まじめだが人付き合いを好まず、とっつきにくいタイプだ。だからダンが重篤化した際にその弊害がもろに出た。彼女はダンへの面会を一切謝絶してしまったのだ。彼の友人を誰一人寄せ付けず、数十年のベテラン看護師として終始ダンを徹底して管理下に置いた。コロナ禍のさなか面会は叶わないが、この半年間にわたり、私は自宅の外からせめて祈りだけでも捧げることをダンに提案したが、「バレリーが許してくれない」の一点張りで、結局この日を迎えてしまった。

すぐにバレリーに電話したところ、案の定 彼女は泣いていた。そして「完璧な医療体制を整え、先生も必ず癒されると言っていたのに!」などとまくし立てるではないか。肺ガンは頭に近いので脳に転移しやすく、延命できたとしても一度転移すると殆ど助からないことくらい誰でも知っている。ベテラン看護師の彼女が知らぬはずがない。だが、“仕切り屋”の彼女は最愛の夫の死期が近づくことを認めず、医療チームのリーダーのごとく介護に没頭して来た。しかしあまりにあっけなく早い彼の死を前にして我を見失ってしまった。

「あなたの平安を祈ります。ダンはイエスを受け入れたよ。バレリー、あなたもイエスを心に向かえるために祈ろう。私が先に祈るから。出来るかな?」 私は神に必死で祈りつつ彼女に呼びかけた。「ありがとう。でも私は人前で声を出して祈るのが苦手なの。心の中で祈るからそれでもいいですか?」

呆れた。この期に及んでまだ体裁を気にしてる。彼女は全く日本語が出来ない典型的日系人だが性格は全く日本人だ。実は彼女もクリスチャンで、たまに教会へ行ってるそうだが信仰は殆どないに等しい。なぜならキリスト信仰とは、「人間の罪のために十字架にかかった神」を信じ、彼に感謝して従うことだからだ。

キリストは彼女や私のために裸にされて殺された。“恥ずかしいから祈れません“などというのは上辺だけでイエスを信じている証拠でしかない。しかし、全てを神に委ねつつ私が先に祈り、彼女も無言で祈った。おそらくダンの回復を。今も彼女の救いを祈る。兄貴のことを思い出すたびに。

「明るみに引き出されるものは、みな、光によって明らかにされます。明らかにされたものはみな、光だからです。それで、こう言われています。『眠っている人よ。目をさませ。死者の中から起き上がれ。そうすれば、キリスト が、あなたを照らされる。』」   
エペソ人への手紙5章13-14節
                         2022-10-26                                 

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