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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA  

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第67話 十字架を造った男たち ④「十字架は完成したけれど」  

   神さまの憐みと不思議な導きにより ついに十字架制作が始まった。まずヒロさんが鉄で土台をさっさと造った。7センチほどの平らな土台の真ん中に、縦25センチ、横5センチ、幅1センチほどの、十字架の柱部分を立てるためのプレート状の支柱が立っているが、十字架を取り外した場合でも見栄えがするようにクロームメッキが施された。実は彼は出張が頻繁で留守にしてることが多いため、手早く仕上げてジョンに手渡したようで、私はその工程を見る間もなかった。

いっぽう、この頃のジョンさんはかなり忙しく、十字架の制作作業がゆっくり進んだため、ちょくちょく訪問して工程を見ることが出来た。圧巻は十字架の柱を支える支柱を入れる凹型の深い穴部分だ。支柱が鉄製なので木のままでは十字架をはめ込んだ際に柱自体が割れるなど破損する恐れがあるため、穴の内側に薄い金属の板をはめてカバーしてくれた。さらには、同じ敷地内にある塗装屋に十字架の塗装とコーティング頼んで仕上げてくれた。彼は塗装屋ではないため、わざわざ自腹を切って頼んでくれたのだった。

「ついに完成した。」。作業開始から3カ月ほど経ったイースター前日の土曜日の朝、ジョンから電話があった。そして私が在宅であることを知ると何と自宅まですぐに届けてくれた!「何でそこまで?」と尋ねる私に「明日はイースターだ。十字架は必要だろ?」。彼はどこまでも優しかった。全工程を工賃無料のボランティアだったことに加え、十字架を造るための高価な原木も彼が供出してくれた。さらに塗装代、塗料代、そして配達。「私も払う」とどれだけ言っても彼は受け取らなかった。さらに、届けられた十字架を見て目を見張った。何と鉄の土台の上も奇麗な木の板で覆い尽くしてある。「鉄がむき出しでは無粋だから」と彼自ら考案してくれた。

さて、十字架は建った。神による奇蹟の数々によって。しかし“十字架を造った男たち”は今それぞれ難しい状況にある。プロジェクトの口火を切ったバンク (65話参照) は あの後すぐに教会へ来なくなった。土台を造ったヒロさん(66話参照)は今に至るまで一度も教会へ来たことがない。おまけにビザの関係でメキシコへ引越し会えなくなった。ジョンはクリスチャン家庭だが夫婦関係にひびが入り、それ以来 彼は頑固になり疎遠になってしまった。

私はすぐに気付いた。十字架は完成したが、私はそれを「担いで行く」のだと。キリストは自身の為ではなく「他者のために」十字架を担がれた。事が成ったらそれで落着ではない。そこから十字架の道、執り成しの道が始まるのだ。今日もまた神に祈る。彼らの祝福と加護を、悔い改めと救いを。。。

「自分の十字架を負ってわたしについて来ない者は、
 わたしにふさわしい者ではありません。」
      マタイの福音書10章38節
                                         2022-8-2

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