もの言う牧師のエッセー 第179話 再投稿
「 武蔵出現 」
去る3月3日、米マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏が、フィリピン沖のシブヤン海の海底で、太平洋戦争中に撃沈された旧日本海軍の最大級の戦艦「武蔵」を発見したニュースが世界を駆け巡った。これまで武蔵は大和の陰に隠れあまり注目されることはなかっただけに「夢のよう。よく見つけてくれた」と声を弾ませるのは 現在94歳で「軍艦 武蔵会」の会長を務める元乗組員の中島茂氏とそのメンバーたちだ。
1944年10月23日、日本海軍は、フィリピン・レイテ島に侵攻した米陸軍マッカーサーの大軍と、強大な米太平洋艦隊を一挙に撃滅しようと総力をかけてレイテ湾に殴りこむ。日米、さらに豪海軍を加えた総参加兵力が艦艇282隻、航空機数百機となり、その広い戦域や規模と合わせて“人類史上最大の海戦”と呼ばれる「レイテ海戦」を一言で要約するならば、かつて無敵と言われた“日本連合艦隊の壊滅”である。
10月24日午前26分、米空母からの攻撃隊は、タブラス海峡を通過中の栗田艦隊を発見。噂には聞いていたが長らく詳細不明の伝説的スーパー・バトルシップ「大和」と「武蔵」に米パイロットの目がいっせいに注がれた。航空機の援護のない“裸城”同然の彼らは一方的に打たれまくり、その後も続々と押し寄せる大空襲部隊は武蔵に殺到、滅多打ちとなった武蔵はついに午後7時35分に沈没。艦長の猪口敏平は「総員退去」を命じた後、自身は退艦せず武蔵と運命を共にした。
「 戦後70年の節目に姿を見せるなんて、武蔵は何か語り掛けているのかも知れない。乗組員の魂が思い出してほしいと呼び掛けているのだろう」と語る93歳の元乗組員、原口静彦氏。
聖書には、滅多打ちになりながら最後まで戦い抜く人物が登場する。ずばりキリストだ。敵にあざけられ、棍棒で殴られ、鞭で打たれ血まみれになった後、重い十字架を担いで処刑場まで運び、ついに十字架に釘付けにされる。
「父よ。わが霊を御手にゆだねます!」ルカ23章46節。
これは彼の最後の言葉だ。我ら人類を救うために、積み重なった罪を一気に撃滅せんが為に、敵であるサタンに殴りこみをかけ、ついに自ら多くの罪を背負って陰府(よみ)に沈むのである。
しかし、武蔵と違って、聖書の預言通り、彼は3日後に復活し天に帰り、今も聖霊を通して彼に留意するよう語り掛けている。そして、長らく詳細不明ではあるが、やがて我々の前に再度出現する。その時、彼を心から信じる者たちは、彼を見て狂喜するであろう。 2015-4-17