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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   

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第54話 ロン追悼 ④「しるしと奇蹟 」  

  重苦しい空気の中、私はロンの手を固く握りしめたまま大声で祈り始めた。すると、なぜかロンの手に力が入り握り返してきた。状況をよく呑み込めないまま、「ロン!よく聞いてくれ!お前も昔、教会に行ったなら覚えてるやろ?!死んだら終わりではない。裁きが待ってるんや! でも大丈夫。イエスさまがすでに十字架にかかって俺たちの罪の身代わりになってくれたおかげで、誰でも彼を救い主と信じる者は死んでもやがて復活する。そして永遠の命が与えられるんや! 彼を信じろ! 聖書にはこう書いてある。

『もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神は
 イエスを死者の中からよみがえらせてくださった
 と信じるなら、あなたは救われる。
 人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われる。』
         ローマ人への手紙10章9-10節

と。ただしテキトーに信じたらアカンぞ。聖書が言うようにちゃんと“心から“信じるんや。」などと必死に語り続けた。その間、彼は私の手を強く握りしめていたが、その意味が分からず当惑していると、突然、「俺にも祈らせてくれ!」と後ろから大柄の白人男性がヌッと現れて力強く祈り始めた。聞くと彼の名はアンディ。ロンの海兵隊時代の友人だそうな。

ひょっとしたらこれはサイン(しるし)ではないかと聖霊に示され、彼に事情を伺ったところ、実は彼は先週からロン兄へイエスを信じるよう勧め、信仰の告白を促していたとのこと。そしてついにまだ意識があったロンのほうから「ミッキー牧師を呼んでくれ」と頼んだと言う。祈りは聞かれていたのだ! 神が多くのノンクリスチャンの中でアンディを備えられ、そしてロンは私を通して主イエスをお迎えする準備をしていた!神は全てを備えてくださったことを確信した瞬間だった。

それで私はどうしても士師記のギデオンのようにもう一度 ”しるし” が欲しいと思い 再度主に祈った。彼が本当に私が伝えたことを理解したかどうか確かめるために。そしてもう一度手を握りなおした。するとロンの人差し指がかすかに動き私の手のひらをコツコツ叩き始めた! 正に奇蹟だった。彼が力強く私の手を握ったこと、アンディがいたこと、そして最後に人差し指。3つのしるしが与えられた。

この後、持参したアメージンググレースの歌詞カードを配って皆で歌い、最後の祈りを捧げてから私は退散した。ロンはその数時間後の午前1時半頃に昇天。私は帰りの車の中で泣いていた。と言うより怒りがおさまらなかった。私の無力さや、彼がこんなに早く逝ったことも。また、残された道子さんのことを考えると憂鬱になった。私はまだ、これから神が驚くべき業を現わしてくださることを知る由もなかった。 10-13-2021 つづく。。。

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