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もの言う牧師のエッセー 第105話 再投稿     

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もの言う牧師のエッセー 第105話 再投稿     
「 アンパンマンの遺言 」    

  「 正義というものはいったい何か。ミサイルで相手をやっつけることなのか、あるいは そこに来た怪獣をやっつけることなのか。僕はそうでないと思ったのね。本当の正義の味方 だったら、そこにお腹をすかせた子供がいたら、その子供にパンをわけて与える人が正義の 味方なんだと思ったんです」。やなせたかしさんが亡くなる一年ほど前に行われた “最後のインタビュー” でのコメントだ。

アンパンマンの絵本が世に出た60年代、評判はさんざんで、評論家や編集者から袋叩きにあった。幼稚園の先生からも酷評され、「図書館に置くべきではない」とさえ言われた。「自分の体をちぎるような残酷なものはだめだ」と。だがその後評価は一変する。何と幼稚園の絵本はたちまち読まれすぎてボロボロになり、図書館ではいつも“貸し出し中” 、幼稚園や保育園を中心に注文が殺到したのだ。その後90年代のテレビでのブームを経て、今や総売り上げ1兆1千億円に達し日本国内最強キャラクターに成長した。

「アンパンマンの中にあるのは『献身』なんだよね。正義は自分を犠牲にしなければどうしても出来ない。自分が傷つくことなしには出来ない、という僕の考えが入っているんだよね。」と言う やなせ氏。実は聖書にはアンパンマンがいる。ずばりキリストだ。

「 わたしが命のパンです。私に来る者は決して飢えることがなく、
 私を信じる者はどんな時 にも、決して乾くことがありません。 
 私の肉を食べ、私の血を飲む者は、私のうちにとどまります。」
ヨハネの福音書6章35・56節。

しかもこの説教を聞いた人たちの反応が傑作だ。

「これはひどい言葉だ。そんなことを誰が聞いておられようか。」
同60節 

と。もうお気付きの通り、やなせさんは聖書を根本的に理解している人と言ってよい。元祖アンパンマンであるキリストは、あなたのために献身した最強のキャラクターなのである。  2013-10-31

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