もの言う牧師のエッセー 傑作選
第20話「 震災後の人間関係 」
震災発生から約半年後の昨年の9月に、ネット調査会社“マイボイスコム”が20~30代の未婚男女に対して実施した調査の結果が興味深い。回答者の男性の4割、女性の6割が人間関係に対しての考え方に変化があったという。
では人間関係の何に対して考え方が変わったかというと「人との絆」(男性59.6%、女性73.1%)と回答した人が最も多かった。また、電通総研が昨年6月、20~60代の男女1200人を対象に行ったアンケートによると、震災をきっかけに「これまで以上に大切にしようと思った人間関係はあるか」と聞いたところ、女性は80%、男性は68%が「ある」と答えた。
なるほど大災害は人が人間らしさを取り戻す好機なのか。これと似たことは 9/11テロ 後の米国にもあった。日頃は閑古鳥の教会が満員になったり結婚が流行ったりした。それではいかにして「これまで以上に人との絆を濃くするのか?」
前述のマイボイスコムの調査によると「一緒にいる時間を増やす」(男性54.2%、女性53.8%)が堂々の1位となる一方、「メールや電話を増やす」はその約半分の、男性27.1%、女性23.9% しかおらず、「一緒にいる大切さ」が浮き彫りになった。
実はキリストには多くのあだ名があるが、そのうちの一つが
「その名は“インマヌエル”と呼ばれる。」マタイの福音書1章23節
である。これはヘブル語で「神は私たちと共におられる」という意味である。キリストは決して2000年前に死んだ偉人や宗教家でもなければ、どこか遠くにいる仙人でもない。私たちの罪のため身代わりとなって殺された後に復活し、天に昇り、王座に座り、彼を信じた者には神の聖霊”を送り、今も“一緒にいて“導いてくださる優しい友人なのだ。「一緒にいてくださる神」を信じよう。
2012-4‐12