もの言う牧師のエッセー 傑作選
第17話 「 それは想定内だった 」
毎日新聞に掲載されているコラムで、地震学の権威である神戸大の石橋克彦教授が、岩波書店の雑誌「科学」の97年10月号において発表された論文「原発震災~破滅を避けるために」の一部が載っていたのでそのまま抜粋する。今となっては驚愕すべき内容である。
①最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないという
が1605年東海・南海巨大津波地震のような断層運動が併発すれば、それを越える大
津波もありうる。
②外部電源が止まり、ディーゼル発電機が動かず、バッテリーも機能しないというような
事態がおこりかねない。
③炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格
納容器や原子炉建屋が破壊される。
④4基すべてが同時に事故をおこすこともありうるし(中略)、爆発事故が使用済み燃料
貯蔵プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出放射能がいっそう莫大に
なるという推測もある 。。。
何のことはない、全て “想定内” だったのだ。おまけに2005年には衆院の公聴会でも彼は同様の警告を発していたのだが 皆が “知らん顔” したそうな。 実は聖書は、
「このことは知っておきなさい。家の主人は、どろぼうが夜の何時に来ると知っていたら、目を見張っていたでしょうし、また、おめおめと自分の家に押し入られはしなかったでしょう。だから、あなたがたも用心していなさい。なぜなら、人の子(キリスト)は、思いがけない時に来るのですから。」
マタイの福音書24章43-44節
と、警告している。災害対策は無論のこと、神が滅び行く人類に向かって”救いを先見せよ“と語りかけるメッセージでもある。日本人が神を信じ、未来を洞察できるよう心から祈る。 2012-3-9