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もの言う牧師のエッセー 傑作選

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もの言う牧師のエッセー 傑作選
もの言う牧師のエッセー 傑作選
第95話「 ジジイの決死隊 」   
    
   「ただ、水を入れればいいと思っていたのかよ。まわりで我々見てるんだぜ!それで 爆発したら、また死んじゃうんだぜ!」。  現場の最高責任者として首相官邸や本社との 対立を恐れずに指揮を執り続けたことで知られる、福島第一原子力発電所の吉田昌郎元所長が7月9日、食道がんのため58歳の若さで亡くなった。と同時に「Yoshida 死す」 の訃報が世界を駆け巡り彼の死を悼んだ。

海外メディアでも注目される理由は事故発生翌日に起きた、「海水注入の中止命令無視」で あろう。事故収拾に奔走する現場のプロの危機意識と、在京の政府と東電幹部の当事者意識の低さが際立った一件である。東電本社が「首相の了解が得られていない」として海水注入の中止を命じたのに対し、吉田氏はこの指示を無視して注水を継続し被害の拡大を防いだのだった。 実際のところ彼が対応していなければ「人の住めない東北・関東に陥っていた」と、 事故当時、原子力安全委員会の委員長だった斑目春樹氏も認める。

さらに注目すべきは、翌13日での東電社内テレビ会議での「 2号機の海水注入ライン確保のために、勇気がいるが『ジジイの決死隊』で行こかと今相談した」ことだ。彼は東電の社員であり、しかもこの1号機の建設に関った事実からも、ことさら彼を英雄視する必要はないのかも知れないが、とかく責任逃ればかりの目立つ日本社会において稀有な存在であることは間違いない。

実は聖書には決死の覚悟で仕事をする“ジジイ“が大勢出てくる。モーセやアブラハム、さらにはヨハネなどがそれだが、聖書はさらに

「白髪は光栄の冠、それは正義の道に見出される」箴言16:31節

と激励している。 歳を取った者こそが見えるもの、果たすべき責任があるゆえに、神は年寄りを叱咤する。とかくこの世はシニアを疎みがちだが、神にとっては全くの現役なのだ。決死の覚悟で十字架に向かったキリストの様に、いくつになっても崇高な危機意識を持って歩みたいものである。    2013-8-14  

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