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もの言う牧師のエッセー  傑作選 

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もの言う牧師のエッセー  傑作選 
第84話 「 ランボルギーニ 」   

   先日、近所の “フェラーリ屋” の前を通ったら ”ランボルギーニ屋“ に変わっていた。なるほど、そう言えば今年で創立50周年を迎えたランボルギーニは、サンタアガタ・ボロネーゼにある本社でド派手な記念イヴェントを開催し、世界中からファンが駆けつけ盛大に祝ったことがあったな、などと妙に感心した。

「Raging Bull/暴れ牛」のロゴで知られ、高級車ファンのみならず、それを見る者の目を釘付けにするランボルギーニではあるが、彼らの最初の自社製品は意外にも農業用トラクターだった。経済効率のよい優れたトラクターだったために農家の間で大ヒット。続けてボイラーやエアコンの製造販売も手がけてこちらも成功する。これで巨万の富を築いた創業者のフェルッチオ・ランボルギーニは、自動車好きなためマセラッティやメルセデスなどの高級車を次々に 買い集め、富の象徴であるフェラーリも多数手に入れた。しかし、どの車も狭すぎたり、暑すぎたり、パワー不足。特にフェラーリは欠陥が多く、中でもクラッチの故障は頭痛の種となった。

業を煮やした彼は、ある日そのフェラーリを自社のトラクター工場に持ち込みクラッチを分解してみると、何と使われていたのは自社製トラクターにも採用しているボーグ&ベック製クラッチだったのだ。しかもフェラーリは全く同じ製品であるにもかかわらずトラクター用の10倍の値段をつけていたという。もともと腕利きのメカニックであるフェルッチオはサッサと修理。ついでにキャブレターを改良し、当時SOHCだったフェラーリのエンジンをDOHCに換装。ここに “フェラーリより速いフェラーリ” が誕生し、彼は高級スポーツカー製造への道を踏み出すのである。それからというもの、今日まで彼らは「汗で助手席に座るレディのメイクアップが落ちないような快適な車を作りたい」と、エレガントな車を送り出して来た。

が、この度50周年を記念して作られたスーパーカーの名は何と「エゴイスタ/利己主義」。究極の世界に一台しかない車なので一般販売の予定はなく、チーフデザイナーのウォルター・デ・シルバ氏によれば、「客ではなく自分が楽しむための車」と言う。創業者のフェルッチオはかつて大衆に役立つマシンを作り、女性にとっての快適さを追求したはずだったが、なぜ?

「私の心は主を誇り、私の角は主によって高く上がります。
 私の口は敵に向かって大きく開きます。
 私はあなたの救いを喜ぶからです。」 Ⅰサムエル記2章1節 

と、勝利を喜ぶ祈りが聖書にはある。ランボルギーニのロゴにもある「角」は、聖書では力や支配を表すが、それは自分勝手に振舞うことではなく、力を得た者が「神による救いを喜ぶ」、つまり「神と人を愛し、義を達成すること」なのだ。したがって聖書は、“全国制覇” や世の中を支配することなどは何も否定していない。問題はその力を己のためにだけ使おうとする人間のエゴにあり、それが罪であり、悪なのだ。ランボルギーニの歴史を振り返ると、 まるで人間の性である罪の縮図が浮かび上がるかのようだが、キリストこそは、まさにその罪のために来られ、犠牲となったことを覚えたい。           2013-6-13  

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