牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第45話 コロナ、ロックダウン、妻の事故
⑱「 車をくれた男 前編 」
事故でマスタングが全損になったので車を探さねばならなくなった。カネがないので格安で手に入れるため祈りつつツテをたどることに。最初に連絡したのがノリ牧師だった(41話参照)。彼に伝えた条件は3つ。①出来ればタダで欲しい。②出せるのは約1000ドルまで。③ボロ車はダメでちゃん使えるモノ。ずいぶん都合のいい無茶苦茶な祈祷要請をしたものだが、今回の事故が当方の過失によるものでは全くなく明らかにサタンによるものであることを御霊に知らされていたことに加え、教会歴・宣教歴 半世紀以上の経験から神さまは御心ならば厚かましい祈りも聞かれるということを知っていたのでとにかく必死に祈った。
今回の事故で改めてはっきりしたのが車体は頑丈であるべきこと。当然ボディーを強くすれば車重が増すのでサカサカ走りたければトルクが必要でエンジンは大きくパワフルなものとなる。それで長らくアメ車に乗ってるが、アメリカにはクレッグリストなど多くの委託販売サイトがあるのであちこち検索した結果、マスタングのように5リッターは無理でも3リッター前後でV6エンジンのアメ車なら何とか買える可能性が出て来た。そこで見つけたのがマスタングと同じフォードのフュージョン。不人気なので10年前の型で3000ドル台で買える。買う気はないが50キロ程度離れたところに住んでいるクリスチャンFB友の長田さんにメールしてスペックを聞いてみた。
彼の父上は日産の元幹部でフェアレディZをはじめ様々なプロジェクトに参画し長らく南カリフォルニアの米国日産本社にもいた優秀な人。なので長田さんも車に関してはめっぽう詳しく何でも知っている。彼によればフュージョンは良い車だがマツダの製作ですよと言われた。なんだ日本車と同じじゃないかと思案してると「日産の2003年型G35を持ってますが買いませんか?」と彼が打診して来た。3.5リッターのV6エンジンだという。写真を送ってもらってビックリ。これまでしっかりメンテされて来たのでピカピカ、内装も見事なもの、トラブルも一切ない“上物”だ。胸が高鳴った。しかもたった2500ドルで譲りたいと言う! すでに教会理事のドーソン(6,9,10,17話参照)から1000ドルの献金をいただいてたので予算より500ドル超過するだけ。「さすが神さま!」と主を称えつつ買うことにした。
ところで全損になったマスタングは私の私用車だったが、今回購入する車は「教会車両」として登録するつもりなので、彼がクリスチャンであることを念頭に祈りつつ「奉仕のために使うのでもう少し安くなりませんか?」と厚かましく聞いてみた。が、彼はぐっと黙ってしまった。明らかに気まずい雰囲気になりそうだったので それ以上は深追いせず引き渡しの期日を決めて電話を切った。しかし、引き渡しを翌日に控えた夜の12時に「チン!」とスマホのテキストが鳴った。彼からだ。「何だ?ひょっとしてキャンセルされるかも」と恐るおそる画面を見て驚いた。「先生、あの車を先生の教会へ寄付したいと思います。よろしいでしょうか? 教会の御用にお使いくだされば嬉しいです。」 頭の中が真っ白になった。。。 Hallelujah。。。
「どうか、私たちの内に働く力によって、私たちの願うところ、思うところの全てを越えて豊かに施すことのできる方に、教会により、またキリスト・イエスにより、栄光が、世々にわたって、とこしえまでありますように。アーメン。」
エペソ人への手紙3章20-21節
12-13-2020