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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   

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第39話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑫「 アリッシャ 」  

   憐れみ深い神は力強い御手で妻を守って下さり、脳などに異常はなく、CTスキャンやレントゲンの結果は全て「グッド」で、障害も残らず順調に回復した。それどころか、全身打撲にも関わらず彼女はヒョコヒョコ歩けた。まさに奇蹟である。この“歩けた“ことが後々多くの恵みをもたらした。しかし、退院当時の上半身は最悪で、腰も首も全く動かせない上に、頭頂部の出血を止めるために麻酔なしで”ホッチキス型“の芯で6針縫ったため、言うなれば打撲と切り傷に加えて、”金属片“が埋め込まれたせいで頭痛がひどく全く動かせない。背中も激痛が走り、これら全ての痛みが常に連動して意識がもうろうとなり何かを考えることもままならない。これが日本だと1カ月は入院していただろう。そしてとんでもないことが判明した。彼女は全く眠ることが出来なくなったのだ。

痛み止めが効かないために頭頂部の痛みのせいで枕を当てることが出来ず、背中の痛みのせいで仰向けに眠れず、首や腰の痛みでうつ伏せも出来ず横たわることも出来ない。何よりも上半身自体が動かせないので寝返りも打てない。ようやく考え付いたのが”座り寝“だった。ややリクライニング状のリビングのカウチに座り、時々 姿勢を変えながら朝までウツラウツラするだけ。殆ど眠ることが出来ない状態が丸2カ月も続いた。そんなことだから、事故の日の深夜に退院した彼女は、午前2時頃に帰宅した後、少しだけ ご飯を食べてから”座り寝”に入り、どうにかこうにか夜を明かしたのだった。殆ど眠れず疲れと痛みが限界に達する中、妻は朝から神の言葉に飢え渇き、それを求め続けていた。しかし頭痛がひどく聖書は読めず目まいで良く見えない。激痛に耐えながら妻は聖書の言葉

「主は、ご自分の羽で、あなたをおおわれる。
 あなたは、その翼の下に身を避ける。
主の真実は、大盾であり、砦である。」 詩篇91篇4節

が記された箇所を必死で思い出そうとしていた。実は彼女は本篇が大好きで丸暗記してたのだが、事故で記憶が飛んでしまい どうしても思い出せない。妻が悶々と焦りを募らせていることも知らず、私は保険屋への報告など事故処理に追われていたが、ふとそこへFBのメッセンジャーで私に激励メールがパキスタンから届いた。私どもの教会がサポートしているパキスタンの孤児院「キッズホーム」の代表者ニダ姉からだ。見ると施設で最年長の11歳の女の子、アリッシャが、詩篇91篇が書かれた絵を持って立っている。

妻にそのことを告げると、「詩篇91篇!これ探してたの!」と叫んだ。ニダ姉によれば、妻の事故を知った子供たちは一斉に妻の癒しのために祈祷に入り、同時にアリッシャは聖霊に示されウルドゥー語で一気に詩篇91篇を書き上げたのだと言う。ああ、何と言う神のご配慮だろうか! まさにこの御言葉の通りでないか! 妻の目は涙で溢れた。苦痛ではなく喜びの涙で。主は、彼を信じる全ての者を、ご自分の羽で覆ってくださる。
            10-13-2020

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