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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   

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第38話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 ⑪「 奇蹟 」  

   午前0時。妻がER(エマージェンシー・ルーム)に運ばれてから僅か4時間のスピード退院となり、朝の5時あたりを想定していた私は急に迎えの準備で忙しくなった。そこでふと気付いた。あれほどの事故で大怪我したにもかかわらず、とりあえず異常なしということだが、全身打撲で激痛を抱える彼女をどうやって運ぶのか?ロックダウン以来、病院周辺は厳重にバリケードで封鎖され、車をER付近に留めることは出来ない。100メートル以上離れた所で駐車し徒歩で迎えに行かねばならない。車椅子はないし、さてどうする? 教会で使う資材運搬用のカートがあるのでそれに“三角座り”でもさせて運ぶか? オンブでもするか?

などと考えてるうちに邪魔くさくなり、とりあえずグーグルマップで可能な限りERへ近づけるルートを探し出し、神に全てを委ね、教会車両のアストロワゴンに乗りこみ出発した。いざとなったらバリケードを突破してER近くまで行くつもりだった。しかし あろうことか、途中で一部Fwy(フリーウェー)のコネクターが閉鎖されており、大幅に遠回りを強いられることになった。真夜中にFwyを走ると こういうことがたまにあるが、何と今夜とは腹が立つ。 とにかくこの度は妙なことが続く。その時すでに妻は院外へと追い出され、ポツンと人気のない暗がりで待たされていたが、結局1時間もかかって病院に到着した。

いよいよグーグルマップで確認した“最短ルート”に進入し、徐行しながら祈りつつERを目指し ついにバリケードまで来た。さて無理矢理に押し入ろうかと思案し始めた瞬間、「なに!?。。。」 信じられない光景を目にした。何者かがこちらに向かって真っ暗闇の中、ERのドアを背にして歩いて来る。「カミさんや!!」 何と彼女は暗闇で遠方にもかかわらずアストロのヘッドライトを見つけ、自力で立ち上がり歩いて来た!4月の午前1時、カリフォルニアの強い冷え込みの中、痛みを我慢してるからか背中を丸めトボトボと。だが それは神々しい神の力であり、正に奇蹟だ。

「ありがとう。」彼女はそう言って自力で車に乗り込んだ。コロナのせいで治療が終わると外へ放り出され、お迎えは途中でFwyが通行禁止だったせいで遅い到着となり、寒い暗がりの中ひたすら待たされた1時間が最も長く感じたと言う。体は痛みと低体温で衰弱しきっていたが、命に別状がなく、全てのオペレーションがスムーズに進み、歩くことが出来、今、家に帰れることを2人で神に感謝した。「大丈夫」と神が妻のスマホを通して4時間前に伝えてくれた預言の通りであった。我々はコロナと事故に勝利した。それは神による奇蹟だった。

「ある者は いくさ車を誇り、ある者は馬を誇る。
 しかし、私たちは私たちの神、主の御名を誇ろう。
 私たちは、立ち上がり、まっすぐに立った。」
 詩篇20篇7-8節      つづく。。。  10-9-2020

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