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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA   

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第35話 コロナ、ロックダウン、妻の事故 
⑧「救急車内にて」  

   ガブリエルと別れて戻ると、ちょうど妻がストレッチャーに乗せられER(エマージェンシー・ルーム)へ行く準備が整ったところだった。と同時に、さっきとは別の救急隊員から「ご主人も一緒に行かれますか?」と意外なことを聞いた。「え?行っていいの?」と驚いてると「ええ、もちろんです。ぜひ乗って下さい。」と丁寧に言うではないか! これもアメリカではよくあることで、組織が別々に行動するため手順が統一されていないのだ。神に感謝しつつ救急車に勇躍 乗り込もうとした時、「ちょっと待って!スマホがない!探して!」と妻が叫んだ。

徐々に意識を回復した妻は、自分なりに財布やIDカードなどの有無を確認していたのだ。慌てて探し回ったが見つからないので鳴らしたところ、「これアンタのじゃない?」と、もう一人のCHP警官が見つけて持って来てくれた。何と車から数メートル離れた所まで吹っ飛ばされていた。しかし今もちゃんと使えている。実際このスマホは この後大いに役に立った。もしなければ広い院内で連絡がつかないところだった。

救急車に乗り込み現場を離れた。横たわるマスタングが視界から遠ざかるのが窓から見えた。これが24年間にわたり32万km乗った愛車を見た最後の時となった。そしてアシュリー兄に電話をした。「ゴメン。もう現場を出発しちゃった。ロングビーチ・メモリアル病院だそうだから、悪いけどそっちへ向かってくれる?」彼は「分かりました。今、見えてますよ! ボクも今現場に着きました。渋滞で辿り着くのに時間がかかりましたが、先生の乗っている救急車が離れて行くのがここから見えてます。大丈夫です。病院の方へ向かいます!」 ああ、何という主に在る友の力強い助けだろうか。思わず主に感謝を捧げたその時、

「あなた、祈って。。。」 か細い声で妻が言った。そうだ。祈らなきゃいけない。狭い車内で彼女は向こう側を向いてストレッチャーに乗せられているので顔を見れないが、ストレッチャーの端に手をかけ祈った。「主よ。何と言う悲劇でしょうか。どうか我らを憐れんでください。しかし一方でここまで全て守られたことを感謝します。こうして私が救急車に乗り込めたことや、アシュリー兄の助けを感謝します。今、どうぞ妻をお救いください。適切な治療が受けられますように。一切をお守りください。あなたに全てを委ねます。」

「これは、もはや自分自身を頼まず、
 死者をよみがえらせてくださる神により頼む者となるため。」
          第二コリント人への手紙1章9節

という聖書の厳しい言葉が去来するのを感じつつ、車はゆっくり病院へ向かって行った。      つづく。。。    
10-1-2020

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