牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第27話
牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA
第27話「ボロ教会 後編:ドラゴン」
さて、“銀髪のハルク・ホーガン”と入れ替わるようにして今度は小柄な兄やんが出て来て「スゲーな~!このバイク!スゲー!」などと感心しながら私のバイクの回りをウロウロしながら覗き込んでる。「え?アンタ牧師さん? そうだよな。。。神のため皆のためにお仕えしてる人は祝されるんだよ! そういう人はこんなすごいバイクもいただけるんだよ!そうだよ。神さまはスゲーんだよ!」などと嬉しいことを言ってくれる。そんなことを言われたのは初めてだし、落ち込んでいた時だけに元気が湧く。ずいぶん人懐こいので名前を聞いた。彼の名はショーン。前歯が一本欠けてる。歯科美容にうるさいアメリカでは非常に珍しい。“ムショ帰り“の彼にはこれまで色々あったことが推察できた。
あまりにも私のバイクを褒めちぎるので、つい「いや、そうなんだけど、実はこのバイク、俺がまだ牧師になる前の羽振りのいい時に造ったので金がかかってる。今は貧乏だよ。それに、このタンクの上にあるドラゴンのカスタムペイント、ガラ悪いだろ? 俺、辰年だからドラゴンが好きでさ。でも今はちょっとこれじゃぁ具合悪いよな」とついポロッと弱気な本音が出ちゃったところ、「なに言ってんだよアンタぁ! んなこたぁ関係ねえよ!!ほら、これ見てみなよ!」と彼は来ているシャツのボタンを一つはずし胸の辺りを少し はだけかと思うと、「俺も龍が好きでさ。ここに、龍の入れ墨を彫ったんだ。」とドラゴンを見せながら、「でもイエスさまを信じた後、ほれ、ココ」とさらにシャツをめくりながら「見えるだろ? 十字架だよ。龍の入れ墨を消さずにその上から剣になってる十字架を彫って龍を刺し殺したんだ。」
見ると、彼の胸に彫られた龍の頭の部分を、剣状の十字架が刺し貫いている。「イエスさまはドラゴンよりも もっと強えんだよ! イエスさまってデカいんだよ! アンタの龍のペイントなんかどうってことない。 イエスさまはちゃんと愛してくれてるよ! どうしても気になるなら、ほら、この辺りに十字架のステッカーでも張っとけば? ちいちゃいので構わないからさ。十字架は強いんだよ」などと言いつつタンク上のドラゴンを指差し円を描いた。
又してもガーンとやられた。思わず目に涙がにじんだ。今日ここに来た理由がはっきりした。主は、落ち込んでる私を今日ここに導かれたのだ。元気付けるために。晴れ晴れとした気分で家路についた。主を称えつつ。。。
「私はキリストとともに十字架につけられました。
もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに
生きておられるのです。いま私が、この世に生きているのは、
私を愛し私のためにご自身をお捨てになった
神の御子を信じる信仰によっているのです。」
ガラテヤ人への手紙2章20節
5-2-2020
第27話「ボロ教会 後編:ドラゴン」
さて、“銀髪のハルク・ホーガン”と入れ替わるようにして今度は小柄な兄やんが出て来て「スゲーな~!このバイク!スゲー!」などと感心しながら私のバイクの回りをウロウロしながら覗き込んでる。「え?アンタ牧師さん? そうだよな。。。神のため皆のためにお仕えしてる人は祝されるんだよ! そういう人はこんなすごいバイクもいただけるんだよ!そうだよ。神さまはスゲーんだよ!」などと嬉しいことを言ってくれる。そんなことを言われたのは初めてだし、落ち込んでいた時だけに元気が湧く。ずいぶん人懐こいので名前を聞いた。彼の名はショーン。前歯が一本欠けてる。歯科美容にうるさいアメリカでは非常に珍しい。“ムショ帰り“の彼にはこれまで色々あったことが推察できた。
あまりにも私のバイクを褒めちぎるので、つい「いや、そうなんだけど、実はこのバイク、俺がまだ牧師になる前の羽振りのいい時に造ったので金がかかってる。今は貧乏だよ。それに、このタンクの上にあるドラゴンのカスタムペイント、ガラ悪いだろ? 俺、辰年だからドラゴンが好きでさ。でも今はちょっとこれじゃぁ具合悪いよな」とついポロッと弱気な本音が出ちゃったところ、「なに言ってんだよアンタぁ! んなこたぁ関係ねえよ!!ほら、これ見てみなよ!」と彼は来ているシャツのボタンを一つはずし胸の辺りを少し はだけかと思うと、「俺も龍が好きでさ。ここに、龍の入れ墨を彫ったんだ。」とドラゴンを見せながら、「でもイエスさまを信じた後、ほれ、ココ」とさらにシャツをめくりながら「見えるだろ? 十字架だよ。龍の入れ墨を消さずにその上から剣になってる十字架を彫って龍を刺し殺したんだ。」
見ると、彼の胸に彫られた龍の頭の部分を、剣状の十字架が刺し貫いている。「イエスさまはドラゴンよりも もっと強えんだよ! イエスさまってデカいんだよ! アンタの龍のペイントなんかどうってことない。 イエスさまはちゃんと愛してくれてるよ! どうしても気になるなら、ほら、この辺りに十字架のステッカーでも張っとけば? ちいちゃいので構わないからさ。十字架は強いんだよ」などと言いつつタンク上のドラゴンを指差し円を描いた。
又してもガーンとやられた。思わず目に涙がにじんだ。今日ここに来た理由がはっきりした。主は、落ち込んでる私を今日ここに導かれたのだ。元気付けるために。晴れ晴れとした気分で家路についた。主を称えつつ。。。
「私はキリストとともに十字架につけられました。
もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに
生きておられるのです。いま私が、この世に生きているのは、
私を愛し私のためにご自身をお捨てになった
神の御子を信じる信仰によっているのです。」
ガラテヤ人への手紙2章20節
5-2-2020