新・もの言う牧師のエッセー・・・第369話
「 クリスマスの奇跡 」
昨年のクリスマスの夜、ぺンシルベニア州チェスター郡イースト・ビンセント区在住のルイスの心は滅入っていた。妻から別れ話を切り出され自宅で一人で悶々としていた。夜9時、心配して様子を見に来た親戚の女性に対しライフル銃で4発発砲して追い払いそのまま立てこもった。
すぐに警官が駆けつけ呼びかけるもルイスは拒否。ライフルを手放さないので今度はSWAT(警察特殊部隊)が装甲車で駆けつけ彼の自宅を包囲した。34歳現役ペンシルバニア州兵のルイスは2階に上がって窓からさらに撃ちまくり、装甲車に命中、さらに周辺住宅や車にも被弾し、SWATも応戦。住民は恐怖のどん底に落とされた。近所に住むメーガンさんは言う。「9時にクリスマスパーティを終え子供を寝かせようとしたとたん撃ち合いが始まり、慌てて子供をらを地下室に避難させました。」長く冷たいクリスマスの夜が始まった。
しかし、10時間の膠着状態の後とんでもないことが起こった。何とSWAT隊員の一人がルイスに向けて“ホワイトクリスマス”を歌ったところ、「OK、降参する。」と彼は家から出て来てあっさり幕引きとなった。地区検事のポール・ホーガン氏は自らクリスマスクッキーを持参し現場に急行、隊員らを激励し、「信じられない!隊員は誰も撃たれなかった。犯人も撃たれなかった。誰も傷つかなかった。これはクリスマスの奇蹟のようだ!」と喜びを爆発させた。彼らは銃ではなく歌で平和を取り戻したのだ。
聖書には、野宿で夜番をしていた羊飼いたちの元へ天使の軍勢が訪れ、光を照らし、
「いと高き所に、栄光が、神にあるように。
地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように!」
ルカによる福音書2章14節、
と歌った世界最初のクリスマスストーリーが記されている。一人ぼっちの人、どん底の人、大事なものを失った人、病の人など悶々とする全ての人に、イエスの優しい救いの歌が届き、このクリスマスが平和と祝福に満ちたものとなるよう心から祈る。 2019-11-11