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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA  第16話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
第16話「サドルバック教会訪問」 シゲ子さんシリーズPart6

 同じことを繰り返す作業を喜んでするのは信仰がいることだ。全ては神の御手の中にあることを信じ切ることによって、この作業に意味があり、さらに希望があることを信じる。そして不可解なことだらけの信仰生活の中で、その作業の意味が分かった瞬間こそ、「ホンマに神さまっているんやなぁ」と心から神を称え、神の愛を思い知るのである。 当教会の受洗第一号となったシゲ子さんが85歳で洗礼を受けた後も(7‐9話参照)彼女への奉仕は続いた。月一度は林姉の家で夕拝を行い(10話参照)、それ以外の週は自宅と彼女がいる施設を往復100キロかけて通い、聖書を開き賛美をして祈ることの繰り返し。別に不満はないが、「なぜ俺なんかが彼女のような婆さんに遣わされるのだろうか?」と不思議だった。しかし彼女がイエスを信じて丸一年が経ち ついにその理由がハッキリする時が来た。

その年の夏、日本の母教会のメンバーらが研修旅行でカリフォルニアに来ることになり(15話参照)、「サドルバック教会へ案内してほしい」と言ってきた。「サドルバック教会?」 会員数10万~20万。ウォレン牧師は”世界のリーダー100人”にも選ばれ、まるで一つの町のように巨大なその教会は敷地内に信号機まである。私ごときペーペー牧師が相手にされる分けがない。車で15分ほどの近所だが、案の定 メールをしても電話をしても不通でらちが明かない。「トホホ、困った。。。」

てなことをシゲ子さんの息子さんのトムに何げなくこぼしたところ、「サドルバック?僕が通ってる教会だよ」。だとさ。「えー!? 何じゃそりゃ!何で今まで言わんかった?」と尋ねると、「最近 転会したんだ」という。さっそく彼に日本からのビジターを案内して貰えるよう頼んだところ驚くべき展開となった。実は彼自身も新しいので良く分かっていなかったのだが、サドルバック教会には無数のミニストリーがあり、その中には日本人やアジア人のグループもある。彼らが案内役を引き受けてくれたのだ。

5000人の礼拝はいつも席取りでごった返すが、我ら訪問者のために正面真ん中の席を20席ほど確保してくれたのをはじめ、施設内の複数の礼拝堂や娯楽室への案内など一切を世話してくれた。それだけではない。教会内にはレストランやカフェ、調理施設も一般飲食店と同様のレベルで完備されているのだが、「あなたがたを大歓迎します。ぜひ食事を召し上がって下さい。」と勧められ、何を食べたいか聞かれたのでイタリアンを選んだところ、70人程度が入れる別室に通され、プロ同様のピザ、ガーリックパン、サラダ、パスタなどがふんだんに振る舞われ お腹も心もいっぱいになった。もちろん無料である。地道に続けたシゲ子さんへの奉仕の答えはこれだったのだ。神の不思議な導きと備えの前に呆然と立ち尽くし夢を見ているようであった。

「そうしてアブラハムは、その場所を、アドナイ・イルエと名づけた。
 今日でも、『主の山の上には備えがある。』と言い伝えられている。」  
                 創世記22章14節     11-2-2019

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