第54話 「 フェラーリ暴走列伝 」
高級車フェラーリの輸出先は米国が1位だが、最近中国がドイツを蹴落とし2位の座を奪った。中国人の所有者は平均年齢35歳で他国より10歳若いという。彼らは「富二代」と呼ばれる高度成長が生み出した富豪の二世の若者達で、大抵の場合ナンバープレートをつけずに暴走し、警察に捕まってもその場で彼らはドアロックしたまま有力者である自分の親に携帯で連絡、警察に圧力をかけるから何のおとがめもない。言うまでもなく彼らは法の支配を受けない階級に属し、将来の中国を運営する者たちだ。
日本も負けていない。2011年12月4日、山口県下関市の雨に濡れた中国自動車道上り線を高級車20台が時速約160キロで暴走、先頭を走っていたフェラーリを運転する60歳の自営業男性が操作を誤り、スリップしてガードレールに激突、8台のフェラーリと3台のベンツ、1台のランボルギーニが玉突き事故を起こし「世界で最も高額な自動車事故」と騒がれたのは記憶に新しい。
さらにタイで去る9月、レッドブルで有名な有力財閥会長の孫が、泥酔状態でバンコク市内をフェラーリで暴走、何と警官をひき殺した挙句、自宅の豪邸に逃げ込み替え玉を出頭させたのだ。何と愚かな金持ち達であろうか。
「満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。
私たちは何一つこの世に持って来なかったし、
また何一つ持って出ることもできません。
衣食があれば、それで満足すべきです。
金持ちになりたがる人たちは、
誘惑と罠と、また人を滅びと破滅に投げ入れる、
愚かで、有害な多くの欲とに陥ります。」 Ⅰテモテ6:6-9
という聖書の言葉はまさに至言である。フェラーリや金持ちをどうこう言うのではなく、神に感謝することを忘れ、欲の向くまま貪り暴走する人間の罪こそが問題なのだ。しかもそれはさらにエスカレートしていく。今一度、神に目を向け、真の満足を探そう。 2012-10-26