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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA 第10話

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
第10話「本来の教会」 シゲコさんシリーズ part 5

教会が発足し、自宅(当時はアパート)を使って妻と2人で日曜礼拝を細々と始めたが、シゲコさんは日曜礼拝に来れないので私は出張礼拝という形で週一度の割合で施設まで通っていた。いっぽうで、何とか彼女が教会に来ることは出来ないものかと思案する日々。息子のトムさんはOCからLAまで2往復する覚悟でいたが、往復200キロプラス彼と私の家の往復50キロが加わり合計250キロ以上もの運転を強いる分けにはいかない。

そんなある日、「教会の日本語看板を造ろう」と思い立ち、かつて在籍した教会の友人で達筆で知られる台湾人の林(リム)愛子さんを訪ねた。80歳と思えないほど若々しく、柔和で思いやりに富み、身を挺して教会を支える善きキリスト者の見本のようなご婦人なのだが、「あのー、フルバヤシ先生、もし出来たらここで月一度くらい礼拝できませんか?」といきなり聞かれた! ここならLAまで2往復140キロ程度、月一度ならトムさんも運転できるかも知れない。「ありがとうございます!」と2つ返事で決まった。月一度の夕礼拝ということで、礼拝後に皆さんに食事もしていただこうと言うことになり彼女は料理も振舞うことになった。すごいバイタリティである。しかもこの家にはプールがあるので洗礼式ができ、さらにグランドピアノまであり礼拝にうってつけなのだ。結局ここで半年ほど世話になり一人の青年が受洗できた。

ところで、リムさんは幼き頃より台湾教会へ数十年通っている。息子さんは台湾で数千人規模のメガチャーチを牧会してるほどのクリスチャンファミリーだが、彼女の世代は日帝教育の影響で日本語が流暢、大の親日家なので自身の教会へ行った後に近所の日本語教会へも通い続け奉仕されてきた。

実はアメリカにはこういうケースが多い。今回の”シゲコ・ミッション“の口火を切ったドーソンもウチの教会員ではないが、あれ以来10年にわたって月々の1/10献金の中から幾らかを捧げてくださり、折にかなった様々なヘルプをしてくれている。同時に彼は他の教会に在籍する友人と祈祷会も行う。また、シゲコさんの息子さんのトムも自身が通う母教会に加え、他教会へ通うクリスチャン男性の交わりを毎週月曜の夜に何十年も続けている。共通しているのは彼らが決して教会から教会へ渡り歩く”チャーチ・ショッパー“ではなく、母教会にしっかりつながり1/10献金や奉仕を続けつつ、他のミッションを手伝うミニスターであることだ。

日本では農耕文化のせいか終身雇用のごとく同じ教会へ通いそこの人々とだけ交わることが殆どで、せいぜいクルセードや音楽イベントなどでたまに”よその人”と会うだけの人が多い。また、近くに教会がないなどの理由でキリスト者と交われない”教会難民”も少なくない。だが、彼らのように「超教会型教会」なら何でも可能だ。ずばり“彼ら自身が教会”だからだ。我が南加聖書教会も日曜礼拝に来れない人のために出張礼拝や聖餐式、補填クラスなどを続けている。これがイエスさまが言う本来の教会の姿なのだ。

「二人でも三人でも、わたしの名において集まる所には、
 わたしもその中にいる。」 マタイの福音書18章20節

8-8-2019

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