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牧師、バイカー、鮨職人として。。。シェア from LA

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牧師、バイカー、鮨職人として。...
第6話「鮨屋にて。ドーソン登場」

    日系3世ドーソン・イシノ。今から10年前、彼はふらりと鮨屋にやって来た。まさか俺たちが主に在る兄弟になろうとは、そして共にミッションを10年に渡って続けていくことになろうとは、まだ知る由もなかった。当時彼は60歳弱で、私が45歳。一回り上の兄貴みたいな存在だが、今振り返ると、これは教会設立に関して主が下さったギフトだったのだとハッキリ確信できる。

カウンターに座った彼は、「何か健康に良い物が欲しい」と言う。聞けば健康が思わしくなく、医者に日本食を勧められたそうな。50年代から70年代にかけて「ジャップ」と罵られ差別された世代の日系人は、日本語や日本文化を学ぶのを避ける人が多く、その結果、日本食を食べない人も多い。彼は寿司を食べるのもこれが初めてだという。“初心者“でも食べやすいウナギなどを勧めたらペロっと平らげ、色々話が盛り上がった。そして私が日本人伝道師(当時)であることを告げたところ、「何!? 君はクリスチャンでしかも日本語が喋れるのか!?」と身を乗り出して来た。「当り前じゃないか。俺は日本人だよ。」と答えると、実はどうしても頼みたいことがあると言う。

彼の年輩のクリスチャンの親友でトムさんという人に80代の未信者のお母さんがいるのだが、日本語しか話せないので、日本語で福音を説明し伝道して欲しいとのこと。「いいですよ。」と快諾したものの、彼は「実は。。」と言葉を濁し、「彼女はLAの施設にいるんだよ。それでも行ってくれるかな?」と申し訳なさそうに聞いてきた。

ここはディズニーランドや大谷翔平クンが所属するアナハイムエンジェルスで有名なOC(Orange County:オレンジ郡)なので往復100キロ。しかもLAとOCを結ぶフリーウェー5号線は大動脈でいつも渋滞しており下手すれば何時間もかかる“一日仕事“だ。それに宣教は一日で終わるものではなく継続して行うものだ。果たして?などと一瞬、脳裏をかすめたが「やろう!」と即決。「そうか!やってくれるか!」とドーソン。すぐにこの店を再訪することを約束し「さっそくこのことをトムに知らせる」と言って喜び勇んで帰って行った。が、この後とんでもないことが起こる。

待てど暮らせど一カ月たっても彼は戻って来なかった。実は電話番号を貰うのを忘れたので連絡しようがない。そして、「ミッキーさん、この店もう閉めるから。」と店のオーナーから突然の知らせが(当エッセー3話参照)。「え?!いつ?」「2週間後。」 えー!じゃドーソンは?トムさんは?お母さんは? モヤモヤする中ついに閉店日の前日を迎えた。「もう会えないかも知れないが、主に全てを委ねます。」と祈っていたら、「キター!!」 その日の午後ついに彼がやって来た。思わず「アンタ今まで何やってたの?!」と聞くと「いやぁゴメンね。体を壊して療養してたんだ。え?明日に閉店??えー?!スゴイね!神さまが僕を今日ここに送ってくれたんだね!じゃあ明日も来るよ!息子を連れて!」と言って“最終日“にもやって来た!大学生の息子さんを連れて。ついに彼とミッションが始まった。

「あなたの道を主に委ねよ。主に信頼せよ。
 主が成し遂げてくださる。」         詩篇37篇5節

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