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  • 変り種な流れ星(カーネル笠井)

変り種な流れ星(カーネル笠井)

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台風9号が直げきして過ぎ去り、翌日の土曜日になっても強い風が吹いていました。そして夕方には、久し振りにきれいな星空を見ることができました。南の空低くには、赤い火星と赤いさそり座のアンタレスがたてに並んで見えました。この夏、日本よりももっと南の地域で、もっと空気のすんだ所では、この2つの赤い星のランデブー(8月27日が大接近)は、空高くにとても明るく見事に見えたそうです。

 ランデブーと言ってしまいましたが、ギリシャ神話でアンタレスは、アンチ=対抗する、アレス(マルス)=火星、という言葉が変化したもので、この2つの星は永遠のライバルなのです。ですから、2つの星は目を合わせないようにお互いに背を向けているか、ものすごい形相でにらみ合っているかのどちらかなのです。でも、そんなことは考えないで素直に目を楽しませてもらうことが正解なのかも知れません。

 おなじみのシシ座流星群やペルセウス座流星群をのぞいて、私の見た変り種でとてもきれいだった流れ星を2つ紹介します。


 1つ目は、子ども達を連れて夏期合宿に行ったときのことです。山の中腹にあるのホテルに泊まっており、眼下の白樺湖で行われる花火大会を見るために、子供達を連れて近くのスキー場の夜のゲレンデまで行きました。小さくしか見えない花火にすぐに飽きてしまった私は、むしろ頭上の雲の合間に見えかくれする「夏の大三角」の方に興味があって、それを見ていました。すると、明るい流れ星がスッと流れました。“流れ星”と思った瞬間、それはうずを巻くように2,3回転して消えました。「今の、見た?」近くの何人かの子供に聞きましたが、やはり見ていなかったようです。「どんだけ?」じゃなくて「私だけ?」といった感じでした。きっとこの流れ星は燃え尽きる前に破裂でもしたのではないかと思います。まるで、体操の跳馬を見ているような流れ星でした。

 もう1つは、長野の実家に遊びに行ったときのことです。1人で庭に出て、夜空の星を眺めていました。すると、2つの流れ星が平行線を引くように明るく流れていきました。一瞬、目をうたがうほどのはく力と見事さでした。きっと、1つの流れ星が地球の大気に突入したときに、真っ二つに割れて、それから燃えたのでしょう。ですから、きれいな平行線となり、光っている時間もちょうどぴったりと同じになったのだと思います。

 どのくらいの確率で、こういった流れ星になるのかはわかりませんが、この2つの流れ星を見ることができたことをとても幸運に思います。それと同時に、これ以上の流れ星にはもう一生お目にかかれないだろうなという思いもあり、こんな複雑な気持ちにさせるのが流れ星のようです。
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